馬券術どおりに買ったら、こうなった。

予想は一瞬、そして儲かる夢の馬券術

馬券の好きな方なら誰もが一度は
夢を見たことがあるのではないだろうか。
「予想は一瞬、そして儲かる」馬券術はないものかと。
とはいえ、そんな夢を見るのは束の間のこと。
大半の人は「そんな都合のいい話、あるわけないよな」と
すぐに現実に帰って再び自分なりの予想を始めることだろう。

ところが世の中は広いもの。
定年退職後に「ボケ防止のための頭の体操」として始めた競馬で
「予想は一瞬、そして儲かる」という馬券ファンの夢を
実現してしまった人物がいるのである。
馬券術『エイトメン』を開発した高橋美徳氏がその人だ。

このたび、高橋氏との接触に成功した私は、
すかさず「馬券術どおりに買ったら、こうなった。」について説明。
その馬券術を実践する快諾を得た。
それどころか、
ときおりアドバイスまでしてくれるという。
実にありがたい話だ。

この『エイトメン』はその名のとおり、
競馬新聞『競馬エイト』を利用した馬券術である。
そして『エイト』ユーザーのみならず、
ディープな馬券ファンであれば
「『エイト』の調教注目馬がよく当たる」
という評判を一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。
この『エイトメン』も調教注目馬を利用した馬券術だ。

『エイト』の調教注目馬とは、
調教時計一覧の上のほうに3頭掲載されている白ヌキ数字のこと。
誌面では特に説明されていないが、
左から注目度1位、2位、3位の順になっている。
高橋氏はこれに目をつけた。

さらに、もうひとつ。
現在『エイト』誌面の馬柱のシルシで
並み居る『エイト』予想陣を差し置いて一番上に掲載されているのが
「★」で3頭が示される注目馬だ。
こちらは調教注目馬とは異なり、順位は決められていない。

この「★注目馬」だが、以前は馬柱ではなく、
欄外に掲載されているトラックマンたちのシルシの
一番下にひっそりと掲載されていた。
ところが、2007年9月から
馬柱のそれも一番上にいきなりの格上げとなった。
つまり、「★注目馬」がよく当たると判断した『エイト』上層部が
馬柱の目玉商品として大抜擢したのである。

抜擢前から「★注目馬」に注目していた高橋氏は
「二軍予想陣の一番下から、スタメンのトップバッターだよ。驚いたね」
と述懐している。
何をもって注目馬なのかはよくわからないのだが、
この「★注目馬」と前述した「調教注目馬」の両方に合致する馬が
とにかく馬券によく絡むことを
『エイトメン』の高橋氏は発見したのである。

ファンのあいだで密かに有名だった「調教注目馬」。
そして、『エイト』が大抜擢したことによって
このシルシがよく当たると公言したのも同然の存在である「★注目馬」。
そう考えると、こんなふうに言うことができるかもしれない。
『エイト』を利用するファンと『エイト』を作る編集部、
異なる立場の人間がもっとも信頼できると判断した2つの情報を融合した馬券術が
『エイトメン』なのである、と。

今回、『エイトメン』を実践するにあたって、
まずどこから始めればいいかと高橋氏に聞いたところ、
「まず、"パーフェクト軸馬"から狙ってみればいいじゃないか」
とのこと。
『エイトメン』では「エイトメンホース」と称する
「調教注目馬」と「★注目馬」の両方に合致する馬のことを軸馬とするのが基本ルールだが、
そのなかでも、「調教1位」に限った馬のことを
「パーフェクト軸馬」と高橋は呼んでいる。
つまり、「★注目馬」のなかで調教がもっとも良かった馬、
もっとも仕上がった馬を狙うわけだ。
実際、やってみるとわかるが、
この「パーフェクト軸馬」を探し出すのに必要な時間はわずか10秒。
これで当たれば、
まさに「予想は一瞬、そして儲かる夢の馬券術」としか言いようがない。

呼び名こそ「軸馬」だが、
もちろん単複で狙ってもなんの問題もない。
なので、馬券は単複派である私のスタイルとも合致するのも好都合だ。
『エイトメン』の武器は「パーフェクト軸馬」だけではないのだが、
まずは基本とも言えるここから実践してみたい。

なお、『競馬エイト』発行後でなければ予想のしようがないため、
この『エイトメン』では基本的に土曜のみの実践となる。
また、今回は『競馬エイト』関東版を使用するが、
関西版でも『エイトメン』で予想することは可能である。

●『エイトメン』3月13日分「パーフェクト軸馬」一覧

中山3R セイウンスマイル
中山6R ナイトアンジェロ
中山7R グローリーステップ
中山10R トリビュートソング
中山11R アニメイトバイオ

阪神8R トーワベガ
阪神9R ファイブイーグル

中京11R サクラオリオン

自分では予想しないほうが、当たるのでは…
出川塁(でがわ・るい)

1977年熊本県生まれ。出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。『競馬最強の法則』『サラブレ』を中心に寄稿。得意ジャンルはデータ解析。メインとする競馬のほか、サッカーでも活動中。

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