馬券術どおりに買ったら、こうなった。

ダービー馬、じゃなくてダービー卿CT

先週の高松宮記念は残念ながらハズレ。
記念すべき第1回を的中で飾ることはできなかった。


 キンシャサノキセキの単勝


 ウエスタンダンサーの単勝


 ウエスタンダンサーの複勝

まずは、その反省から行っていこう。
この『「2走前」を見るだけで高配当が当たる本』
という馬券術は
基本的に穴馬をあぶりだすためのもの。
3番人気-1番人気で決着したレースでは
仕方がない部分もあるとは思う。

ただ、レース選択には一考の余地があった。
高松宮記念はG1。
日本のG1の定量や馬齢といった
イコールコンディションで行われるので、
基本的には実力のある馬が有利だ。

だとすれば、
穴馬が好走する可能性の高いであろうハンデ戦の
マーチSを予想すべきだったのではないか。

そのマーチSも結果的には
1番人気のエスポワールシチーが勝ち、
2着に突っ込んだダイショウジェットも
前走を無視して2走前の着順を見るだけでは
拾えない馬ではあった。

ただ、それはあくまで結果論。
この馬券術は、
G1には通用しないわけでは決してないのだが、
より荒れそうなレースが組まれているのであれば、
そちらを選択すべきだったのではないか?
とも思えるのだ。

ということで、
今週は大阪杯ではなく
ダービー卿CTを予想することにしたい。

世間での注目度は、
ディープスカイを筆頭に
G1馬が6頭も出走する大阪杯のほうが断然上だろう。

しかし、それだけ強い馬が揃っていれば
堅い決着になると考えるのが普通。
単純に考えても、
12頭立ての大阪杯より
16頭立てのダービー卿CTのほうが荒れやすいはずだ。

であれば、ダービー馬を蹴ってでも、
ハンデ戦で行われるダービー卿CTに挑みたい。
昨年も3連単は100万馬券になっていることだし、
先週の反省を活かすなら、その選択しかありえない。

この馬券術が主張するとおり、
前走を消し、2走前の着順に注目していく。

すると、意外なほど2走前に好走した馬が少ない。
3着以内に入っていたのは、

・キャプテンベガ(2走前:東京新聞杯2着)
・リザーブカード(2走前:阪神カップ3着)

この2頭だけだった。
このどちらを上位にとるか。
今回のテーマはここだ。

私自身は、
「馬券術どおりに買う」といっても、
そのルールにあまりとらわれすぎるのは、
かえって逆効果になると思っている。

この馬券術から学ぶべきことは、
「前走で好走した馬を必要以上に過大評価しないこと」
であり
「前走で凡走した馬を必要以上に過小評価しないこと」
だろう。
そして、必要以上に人気を落とした穴馬を発見して、
オイシイ配当を得るのが目標だ。

キャプテンベガとリザーブカード。
どちらも重賞では馬券に絡んだことはあるが
勝ったことはないという馬で、
実績的には同じぐらいの実力を持っているように思われる。
調子の良し悪しは、厩舎スタッフでない私には
現段階ではなんとも言えないし、
厩舎コメントの信頼性がマユツバなことは
みなさんご存じのことだろう。

というわけで、判断がつかない。
ルールに固執する必要はないと思ってはいるのだが、
凡庸な馬券センスしか持ち合わせない私が
ヘタな鉄砲を撃つぐらいならば、
著者の上井格之進さんが考え抜いて設定した
ルールに従ったほうがいいだろう。

実は、この馬券術には、
「2走前のレースは3カ月以内であること」
というルールがある。
この条件を課すことで、
直近のレースで好走しているにもかかわらず、
人気を落とす馬を拾い上げることができるというわけだ。

これに当てはまるのが、キャプテンベガ。
リザーブカードの2走前、阪神カップは
昨年12月のレースなので除外となる。

なお、この馬券術には
「1~5番人気は除外する」という大前提もある。
穴馬をあぶり出すのだから当然のことだが、
オッズばかりは現段階ではどうにもならないので
ここでは考えないこととする。

名牝ベガの仔、
キャプテンベガの良血開花に期待だ。

自分では予想しないほうが、当たるのでは…
出川塁(でがわ・るい)

1977年熊本県生まれ。出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。『競馬最強の法則』『サラブレ』を中心に寄稿。得意ジャンルはデータ解析。メインとする競馬のほか、サッカーでも活動中。

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