馬券術どおりに買ったら、こうなった。

はじめまして。

今回から「J - horseman.com」で
『馬券術どおりに買ったら、こうなった』
を担当させていただくことになりました
競馬ライターの出川塁と申します。

このページをご覧のみなさんは、
馬券がお好きなことと思います。
もちろん、私も大好きです。

馬券を買うからには
すべてのレースを当てたいものですが、
馬柱とにらめっこして知恵を振り絞っても
その多くは報われないもの。

職業柄、これは役に立つと思える馬券術や
本当に儲かっている馬券師の方に
接する機会は多いのですが、
私自身の馬券が上手くなっているのかといえば、
それは別の話というのが残念なところ。

やっぱり
「自分で予想した馬券を買って当てたい」
と思ってしまうので、
そういう馬券を買ってしまうのですね。

でも、競馬ライターという立場となると、
読者の方が知りたいのは
「馬券術のとおりにかったら、どうなるの?」
もっと言えば
「当たるの、当たらないの?」
ということなのではないか。

そこで、この企画ではタイトルのとおり、
「これはおもしろそう!」という馬券術を選んで
そのとおりに予想して自腹で買っていきます。
一種の馬券ドキュメントなのです。

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ただし、先ほど
「当たるの、当たらないの?」と書きましたが、
この企画では
「この馬券術は使える、あの馬券術は使えない」
と断じるつもりは決してありません。
このことは、大前提として記しておきたい。

オートマチックに買い目を出せるような
システムがある馬券術ならともかく、
ある程度の絞り込みの手助けにはなっても
最終的には、馬券を買う人間のセンスが
問われる場面になることもしばしばあります。
むしろ、そんな馬券術のほうが多いでしょう。

そうしたとき、
その馬券術を考案した馬券師であれば、
卓越した馬券センスによって
鮮やかに取捨をしてしまうのですが
残念ながら、私には備わっていない。

また、この企画では取り上げる
ごく一部レースが当たった、外れたと言って
その馬券術が使える、使えないというのは
アンフェアというものです。

でも、自腹を切って
体当たりで馬券術に取り組んでみれば、
優れた馬券センスを身につけることが
できるのではないか?
そう考えます。
このことこそが
『馬券術どおりに買ったら、こうなった』
が本当に意図することなのです。

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初回に取り上げる馬券術は
『「2走前」を見るだけで高配当が当たる本』(東邦出版)
です。

 

そのサブタイトルからしてスゴい。
なんでも「競馬は前走を無視しなさい!」
というのです。

馬柱を見るとき、多くのファンが注目するのは
まずは前走の成績でしょう。
なんといってもいちばん直近のレース、
実力にしても状態にしても
現在のものにもっとも近いはずです。
それを無視するだけで
簡単に穴馬券が獲れてしまうというのです。

この馬券術の詳細については
次回以降で順次触れていくとして、
その基本は「前走を無視する」ということ。
これに尽きます。
また、前走を無視することによって
穴馬を浮かび上がらせる馬券術なので
基本的には上位人気は買わない。

このルールに従って
高松宮記念の馬柱を見ていきましょう。

まず目についたのがキンシャサノキセキ。
前走のオーシャンSこそ10着ですが、
それさえ無視すれば、
その前の4走はいずれも重賞で3着以内。
函館スプリントSを勝って
高松宮記念とスプリンターズSでも
いずれも2着。
前走さえ無視すれば、相当に有力でしょう。

次いで、ウエスタンダンサーが目に入ります。
この馬も前走のシルクロードS15着を除けば、
その前は4戦連続2着。
京阪杯では、
今回もそれなりに人気になるだろう
ファリダットを押さえて重賞を勝っています。
そのファリダットも
前走の阪急杯7着以外の近走は安定しています。

この3頭で勝負したい。
買い目については
当日のオッズを見ないと判断しづらいのが
正直なところですが、

キンシャサノキセキの単勝
ウエスタンダンサーの単複

のどちらかでいきたい。

ファリダットの評価を下げたのは
これまで4番人気以下に落ちたことがないように
基本的に過剰人気の良血馬だからです。

まあ、当日のオッズ次第では
ファリダットの線も出てくるのですが、
現時点では、
キンシャサノキセキとウエスタンダンサーで
勝負したいと思っています。

自分では予想しないほうが、当たるのでは…
出川塁(でがわ・るい)

1977年熊本県生まれ。出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。『競馬最強の法則』『サラブレ』を中心に寄稿。得意ジャンルはデータ解析。メインとする競馬のほか、サッカーでも活動中。

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