馬券術どおりに買ったら、こうなった。

ルールはルール、だけれども

先週のダービー卿CTは
悔やまれるレースとなった。

『「2走前」を見るだけで高配当が当たる本』
の教えどおりに
前走を消去して、2走前をチェック。
そこで浮かび上がったのが
キャプテンベガだった。

普通に予想してたとしても、
折り合いにやや難しいところがあるし、
流れの速くなるマイル戦はいいはず。
オッズも単勝9・5倍と狙いごろで、
手応えよく4角を回ってきたときには
「あとは前が開くだけ!」と思ったのだが……。

内のタケミカヅチも外のマヤノライジンも
脚は十分に残っており、
挟まれた形のキャプテンベガは
最後まで満足に追えずに
脚を余す形で4着に終わった。


 無念の4着…キャプテンベガの単勝  

中山ではありがちなこととはいえ、
やはり消化不良である。
第3回の今週こそバシッと当てて
スッキリとさせたいところでもあるし、
今週は2レースを予想したいと思う。

まずは土曜日のニュージーランドT。
これといった馬がおらず、
サンカルロが中心視されるメンバーなら
波乱の目は十分だ。

狙いは1枠1番のケイアイテンジン
先週のダービー卿CTと同じ中山マイルで、
ご存じのようにこのコースは内枠有利が明白。
初芝だった前走のアーリントンCは
8着に敗れているが1着馬とは0秒7差。
芝2戦目ならさらに前進も可能だろう。

実は、
『「2走前」を見るだけで高配当が当たる本』
のルールでは、
「今走が芝なら、2走前も芝」
というルールがある。
したがって
ケイアイテンジンはルール違反なのだが、
私はニュージーランドTの過去の傾向から
あえてルールを破ることとした。

というのも、
過去のレースを振り返る限り、
ダートで勝ち上がってきた馬や
ダート血統が穴をあけるケースが多いからだ。

07年は11番人気のトーホウレーサーが勝ち、
8番人気のワールドハンターが3着。
04年に最低人気の16番人気で
2着に突っ込んだナイストップボーイは
ダートで勝ち上がってきた馬。

昨年の1、2着馬も
血統的にはダートでも走れそうな馬で、
ダート2勝で父がアグネスデジタルの
ケイアイテンジンも激走できるのではないかと
踏んだのだ。

ちなみにアグネスデジタル自身も
00年のこのレースで
7番人気ながら3着に突っ込んできている。
ケイアイテンジンの単複を買ってみたい。


もう1レースは、もちろん桜花賞なのだが、
しかし、このレースには
ブエナビスタという大本命馬がいる。
これに逆らって穴馬をぶつけるには
あまりにも分の悪い馬のように思える。

まだ対戦していない馬のなかから
未知の魅力に賭ける手もあるが、
そうした馬はオッズ的には
あまりオイシイとは言えないので、
もう勝負づけが済んだと思われた馬から
ヒモ穴を狙っていきたいと思う。

そこで浮上するのがジェルミナル
3走前の阪神JF、前走のチューリップ賞と
いずれもブエナビスタに完敗してはいる。
しかし、それだけに負かそうとするのではなく、
むしろ無欲の競馬ができるのではないか。

ブエナビスタ以外の馬にさほど力の差はない。
あとは展開次第ならなにが来てもおかしくない。
2走前で重賞を勝った力を持ちながら、
チューリップ賞の完敗で評価がガタ落ちの
この馬の巻き返しに期待したい。

自分では予想しないほうが、当たるのでは…
出川塁(でがわ・るい)

1977年熊本県生まれ。出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。『競馬最強の法則』『サラブレ』を中心に寄稿。得意ジャンルはデータ解析。メインとする競馬のほか、サッカーでも活動中。

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