馬券術どおりに買ったら、こうなった。

文字どおりの惨敗だった。

的中未遂(?)の桜花賞を雪辱すべく
臨んだ皐月賞だったが、
抜擢したアーリーロブストは16着。
またしても的中の夢は遙か脆くも。


 儚く散ったアーリーロブストの複勝

もともとが10番人気なので結果自体は驚かない。
レース展開の読みを
そもそも大間違いしていたのが敗因だった。

それまでの中山の馬場状態を考えても
連続開催最終日に1分58秒7の高速決着は完全に想定外。
前に行った馬が穴をあけることの多い皐月賞で
先行勢が総崩れとなり、
差し・追い込み馬が上位を独占したのも大誤算だった。

混戦状態で粘り込めればいう希望的観測もむなしく、
沈みゆくアーリーロブストをただただ見守るほかなかった。

それ以上に情けないのが、
ロジユニヴァースは堅いだろうと
この馬との馬連とワイドも買ってしまったことである。


 ロジユニヴァースまでがあそこまで負けるとは…

多くの人がそう思ってからこそ
単勝1.7倍という支持になったわけだが、
私自身の馬券スタンスは単複派。
「ロジとの組み合わせで40倍もつく」
と思って馬連にまで手を出したのが
お恥ずかしい限りでした……。


 ワイドまで買ってしまった…

あくまで私が馬券ベタなだけだから、
いくら外したところで
この「2走前理論」が傷つくわけではない。

そうなのだが、あまりにも外し続ければ
さすがにイメージが悪い。
的中未遂ではなく、そろそろ当てなくてはいけない。

今週行われる重賞は3つ。
そのなかで勝負レースに選んだのが福島牝馬Sである。

これは、週報を見た週の頭に決めていた。
◎が並んでいるのがベッラレイア。
オークス2着、エリザベス女王杯3着の実績は
確かにここでは格が違う。

しかし、この馬は広いコースで末脚を生かすタイプ。
中京でも勝ってはいるがそれは500万下のもので、
小回りコースが向くとは思えない。
休み明けのこの馬が人気を背負ってくれれば、
必ずおいしいオッズが生じるはずと考えたのだ。

狙うのはリビアーモである。
前走の中山牝馬Sは8着に敗れたものの、
タイム差は0秒5と着差はわずか。
前走では2番人気に推されていたのに、
いきなり評価ガタ落ちになっている。

準オープンも勝っていないだけに
まだ地力不足と判断されたのかもしれないが、
そもそも福島牝馬Sは格上挑戦でも足りるレース。
3週目を迎える福島なら
この馬の差し脚が届いたっておかしくはないはずだ。


日曜の重賞2レースも
もちろん検討しているので最後に軽く触れておこう。

東京のフローラSはアイアムネオ
前走のアネモネSでは
不良馬場もあって10着に敗れたが、
前々走のフェアリーSは
桜花賞3着のジェルミナルと0秒2差。
十分に走破圏内だろう。

ただし。
そもそもの問題として、この馬はおそらく人気。
ディアジーナやミクロコスモス、
話題のハシッテホシーノあたりが人気を集めて
いいオッズがつけば、という条件で狙ってみたい。

京都のアンタレスSはダイショウジェット
京都のダート1800mではほとんど崩れたことがなく、
おそらく人気もないはず。

その点はいいのだが、
前走のマーチSですでに13番人気2着に激走したのが
どうにも気になるのだ。

穴馬というのは、
立て続けに激走しないから穴馬なわけで、
前走ですでに激走してしまった穴馬は買いにくい。

まあ、どんなに激走しても
人気にならないからこそ穴馬とも言える。
結局のところ、
当日に人気がなければ買えばいいし、
人気なら見送ればいいだけの話ではあるのだが……。

当たりが来ていないときは、
考え方もついつい消極的になりがちではあるが、
そういうときこそ思い切って馬券を買いたいもの。

そうは言っても、
「思い切って」と「無謀」は紙一重。
馬券というのは難しいというか、
まるで人生そのものだなと、
余計なことまで考えてしまうのであります。

自分では予想しないほうが、当たるのでは…
出川塁(でがわ・るい)

1977年熊本県生まれ。出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。『競馬最強の法則』『サラブレ』を中心に寄稿。得意ジャンルはデータ解析。メインとする競馬のほか、サッカーでも活動中。

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