馬券術どおりに買ったら、こうなった。

神頼み

満を持して新システムを投入した先週の結果も振るわず。
旧システム、新システムの該当馬のうち、
当日1~3番人気に推されなかった馬は計5頭いたのだが、
1頭も掲示板にすら載れなかった。
前走6着のほうは大敗も十分にあることが承知のうえだが、
前走3着の該当馬だった日曜中京5Rのルナピスタまで9着に敗れたのは結構堪えた。

また、前走6着のシステム該当馬4頭がすべて敗退したことで、
当日1~3番人気の馬を除いた単勝回収率も94.5%とついに100%を切ってしまった。
先週までの連敗が15。
元々の勝率的に、20連敗程度は十分に考えられることは理解しているし、
そのうち必ず的中が訪れることはわかっていても、
仮説自体が間違っているのではないかという不安がどうしても頭をもたげてくる。

今週こそ気合いを入れて予想して、久しぶりの的中をと思っても、
システムに該当する馬をオートマチックに買う以外の手段は存在しない。
せめて該当馬が負けたときの損失を減らそうと、
明らかに勝ち目がなさそうな馬の馬券を買うのを見送ろうか……とも考えるのだが、
もしその馬が激走したらそれこそ立ち直れない。

もはや、自分を支えているのは、
自動的に馬券を買って儲けることができるのかという酔狂な実験、
それも結果が出てから公開するのではなく、
過程もすべて見せるのは自分ぐらいのものだろう、
というちっぽけな自尊心だけと言っても過言ではない。
神頼みでもなんでもいいから、いまはとにかく的中が欲しい。

考えてみれば、
これまでに的中した2レースはどちらも昨年12月の阪神でのものだった。
昨年末から連続開催の中山、そして年が明けての京都ではひとつも当たっていない。
幸い、今週からは東の主場は中山から東京に変わる。
これで流れが変わってくれないものか……。

極めてデジタルなデータベースソフトを利用して発見したはずの
必勝(と信じている)システムで馬券勝負に挑みながら、
結局は流れや神頼みというアナログなものにすがってしまうのは、
自分でも皮肉なものだと思う。

こんな馬券勝負にチャレンジしてはいるものの、
自分の力で予想して馬券を当てるのが、やっぱり競馬のいちばんの楽しみだと思う。
しかし、不思議なものでいまの私は、
自分で予想を組み立てて買ってきた過去のどの馬券よりも、
このシステムで的中することを渇望しているような気がするのだ。

これもまた競馬の楽しみのひとつなのだろうか。
それとも、普段の馬券とは違って、このように公開していることによるものだろうか。
私にはよくわからない。
わからないけども、とにかく当たってほしい。
それだけはわかるのだ。

●今週末(2010年1月30、31日)の該当馬

【土曜・前走6着】
東京9R タイキジャガー
京都11R ディアプリンシパル
中京3R ポンテディリアルト
中京7R メイショウモネ
中京9R イマカツタイガー、グラスブレイド

【日曜・前走6着】
東京12R ホーマンクラフト
・「前走6着システム」先週までの回収率(当日人気を確認し、推奨馬の単勝を同額で購入)……94.5%(29戦2勝)

【土曜・前走3着】
該当馬なし

【日曜・前走3着】
中京11R カレンナサクラ
・「前走3着システム」先週までの回収率(当日人気を確認し、推奨馬の単勝を同額で購入)……0.0%(1戦0勝)

自分では予想しないほうが、当たるのでは…
出川塁(でがわ・るい)

1977年熊本県生まれ。出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。『競馬最強の法則』『サラブレ』を中心に寄稿。得意ジャンルはデータ解析。メインとする競馬のほか、サッカーでも活動中。

バックナンバー