馬券術どおりに買ったら、こうなった。

福島開催後半、そのデータを読解してみた

福島の開催前半は内枠が有利。
これを前提に第1週、第2週ともに
予想をしていたのだが、
今年の2回福島はそうでもなかったようだ。

芝1200m全12レースの
枠順別成績を見てみると、
1~4枠で5勝、5~8枠で7勝。
特に7~8枠で6勝を稼いでいるのが目につく。

ただ、この内訳を見ると
外枠に人気馬が入ったレースも多く、
勝利が集まるのは当然と考えるべき。
穴をあけているのはむしろ内枠だし、
外枠に入れば人気薄だろうがロバだろうが
なんでも走ってしまう、
というほどの馬場状態ではなさそうだ。

また、勝ち馬の人気を見てみると、
1番人気が4勝、2番人気が5勝。
あとは3番人気、6番人気、11番人気が
1勝ずつ挙げている。
また、1、2番人気の複勝率が70%を超えており、
上位人気がきっちりと
馬券に絡んできていることがわかる。

内枠がとりたてて有利になるわけではなく、
外枠だからノーチャンスというわけでもない。
いうなれば、
人気馬が力を出しやすい馬場状態だったのだ。

第1週、第2週ともに内枠有利と思って、
外枠の上位人気を嫌って
真ん中から内の馬を狙っていたのだが、
さくらんぼ特別では
8枠15番の2番人気サンクスノート、
テレビユー福島賞では
7枠14番のアルティマトゥーレが
それぞれ1着。
完全に裏目になってしまった。

土方氏であれば第1週終了時点、
いや、この夏最初の芝1200m戦で
8枠15番の馬が勝った時点で
気づくことなのかもしれないが、
「にわか千二マスター」たる私では、
残念ながらそうしたことには思い至らなかった。

先週までの反省はいいとして、
問題は今週以降がどうかということだ。
そこでデータを確認したい。

2007年以降、
福島の開催5~8日目における
芝1200m全75レースの枠順別成績を見ると、
・1~2枠 13勝
・3~4枠 16勝
・5~6枠 20勝
・7~8枠 23勝
となっている。
特に1枠は4勝しかしていない。
外枠になるほど勝ちやすいのは明白だ。

ちなみに土方氏は、
2006年刊の
『プロ馬券師土方吾郎が毎年確実に大儲けする理由』
のなかで、
「福島では開催後半だからといって
外枠は以前ほど来なくなっている」
という主旨のことを述べているが、
データを見る限りは、
現在はまた傾向が変わったようだ。
すくなくとも、
内枠が有利であるとは言えない。

土方氏は
「読解力を磨くことが重要」とも述べている。
ここまでに提示したデータを
私なりに傾向を読解してみると、
今年の夏の福島は開催前半でさえ
内枠が際立って有利ではなかったのだから、、
開催後半になればただでさえ有利な外枠が
ますます有利になるはず。
そのように予想する。


土曜の福島10レース、白河特別。
8枠14番のジェイケイセラヴィを狙う。

2走前、骨折休養明けの富獄賞は
いいところなく13着に敗れたが、
前走は逃げ粘って6着。
全3勝はすべてダートでのものだが、
芝の2戦でも
0秒3差の4着、0秒7差の6着にまとめており、
適性がないわけではない。
開催後半の福島で
極限の高速決着になることは考えづらいし、
むしろ適性としては
ちょうどいいのではないだろうか。

外枠ではもう1頭、
7枠11番サウスヒューマーはどうか。
近走着順は冴えないが、
元々は現級勝ちのある馬。
休み明けということも
体調一変に期待してむしろ買い材料になる。
まったく人気がなさそうなので
スケベ心で狙ってみたい。

買い目としては、
ジェイケイセラヴィの単複と
サウスヒューマーの複を少々。
これでいく。

まあ、同じ外枠が勝つにしても、
地方から再転入してきた実績上位馬の
7枠12番ダイワマックワンがあっさり、
という気がしないでもないが、
前2週が4番人気という
中途半端なところを狙って惨敗していることもあるし、
思い切って狙ってみようではないか。

自分では予想しないほうが、当たるのでは…
出川塁(でがわ・るい)

1977年熊本県生まれ。出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。『競馬最強の法則』『サラブレ』を中心に寄稿。得意ジャンルはデータ解析。メインとする競馬のほか、サッカーでも活動中。

バックナンバー