馬券術どおりに買ったら、こうなった。

まさかまさかの連勝劇

「本当に驚いたね」

先々週の13番人気的中に続いて、
先週のCBC賞でも
12番人気のプレミアムボックスでピタリ。
やけに手応え良く後方を追走する姿を
「もしかしたら……」
と眺めていたのだが、
直線でグングン伸びてきたときは
「ホントかよ」というのが偽らざるところだった。



珍しくヒット連発で
ついつい饒舌になってしまいそうだが、
それは愚の骨頂。
ただただ運が良かっただけである。
それに
「アタマまで突き抜けるほどの力があるとも思えないが、
複勝圏内なら十分に狙えるはず」
という見立ても、
プレミアムボックスには申し訳なかった。
単勝も買っていればなあ……。

いやいや、それは欲張りすぎか。
それに、運が良かったというのもおかしいかもしれない。
あくまで馬券術に従った結果なのだから。

もちろん、
「これは参考になる! 参考にすべき!」
と思える馬券術だけを実践しているのだが、
土方氏、いや土方様(といきなりへりくだる)の
「千二馬券術」、
これは本当にスゴイのかもしれない。


今週は土曜福島の準メイン、
1000万下のさくらんぼ特別に挑戦してみよう。

「福島芝1200mで1000万下以上」の場合、
特徴はこのようになっている。

・前残りの展開少ない
・先行差しの馬が有利
・馬場によって極端な傾向に

ローカルの1200m戦なのに
「前残りの展開少ない」
というのも意外な感があるが、
1000万下以上のクラスの地力あるメンバーの競馬では、
逃げれば勝つという単純なものでもないのだろう。

騎手にも「直線の短い」という意識が働くので、
仕掛けのタイミングがどうしても早くなる。
特に東京からのコース替わりとなる今週は、
その意識がさらに強くなるはずだ。

「馬場によって極端な傾向に」
というのも納得で、
馬場が荒れやすい福島では、
開催前半と後半で傾向がガラリと一変する。
開幕週の今週は、
追い込み一手ではツライと考えるのが自然だろう。

そこで浮上するのが
「先行差しの馬が有利」ということになる。

このあたりを踏まえると、
内枠からスムーズに先団にとりついて、
直線で抜けてきそうな馬を狙っていきたい。

目につくのは、
1番ターニングポイントと5番ショウナンカザン。
ガムシャラに逃げるオースチンローズを
追走したこの2頭が
4コーナーを回ってかわして直線で追い比べ。
そんな展開ではないだろうか。

どちらも人気サイドで、
ここ2週のことを考えればガッカリな予想ではあるが、
より妙味がありそうなのは
前走大敗のターニングポイントだろうか。
このあたり、
「2走前馬券術」を忘れたわけではない。

昇級戦となった前走の飛騨S(1600万下)は、
前半32秒8の超ハイペースで先行馬総崩れ。
ターニングポイントは2番手を進んでいたが、
これでは14着大敗も仕方のないところだった。
今回は降級戦でペースも緩むだろうし、
2走前の袖ケ浦特別では
ショウナンカザンに先着している。
前走で超ハイペースを経験したことで、
ここでは楽に追走できるはずだ。

今回は勝っても驚けないターニングポイントだが、
夏競馬開幕戦、まずは好スタートを切りたいところだ。

自分では予想しないほうが、当たるのでは…
出川塁(でがわ・るい)

1977年熊本県生まれ。出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。『競馬最強の法則』『サラブレ』を中心に寄稿。得意ジャンルはデータ解析。メインとする競馬のほか、サッカーでも活動中。

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