馬券術どおりに買ったら、こうなった。

10連敗ぐらいは当たり前

先週、狙い馬として挙げた7頭は全敗。
全敗どころか、3着以内にすら1頭も入らず
まさにデスノートとなってしまった。
申し訳ない。

もう一度、狙い目の条件を記しておくと、

・前走6着
・前走着差1秒未満
・前走1700m以上
・前走ダート

というものだった。

07年以降、このすべての条件を満たす馬を
オートマチックに買うだけで単勝回収率122%をマークしており、
気がつけばPAT残高が増えているという算段だったのだが……現実は厳しい。

もっとも、開き直るつもりはないのだが、
単勝回収率122%ではあっても、勝率9.1%ということは先週記していたとおり。
確率的には10連敗して当たり前で、
ヘタしたら15連敗、20連敗ぐらいは十分にありうる。
たとえば、今年の8月2日~30日には22連敗を記録しているぐらいなので、
たった1回の週末で当たりが出ないぐらいでヘコたれる必要はないのだ。

もちろん、今週も変わらず

・前走6着
・前走着差1秒未満
・前走1700m以上
・前走ダート

の条件を満たす馬を狙っていく。
とはいえ、単純に狙うだけでは冴えないので、
もうすこしデータを考察してみたい。

目をつけたのは、

・前走着差1秒未満

の部分である。

同じ1秒未満の負けであっても、
「先行しての1秒未満負け」と「追い込んで1秒未満負け」では
価値が違うのではないかと考えたのだ。

自力で先行してわずかに力及ばず6着だった馬と、
前が崩れて結果的に僅差6着だった馬。
両者で着差が同じなら、普通は自分でレースを作った先行馬のほうに価値がある。
したがって、前走で前に行った馬を狙えば、
より良い結果を生むのではないかと思ったのである。

ところが、データはそうではなかった、
前走の位置取りを見てみると、
「逃げ」「先行」「差し」「追込」の勝率に大差はなく、
むしろ「差し」や「追込」のほうが回収率が高いぶん、
馬券的には狙い目であることがわかったのだ。
これはどういうことだろうか。

そこで、前走で「差し」や「追込」だった馬が、
次走でどういうレースをしているのかを調べてみた。
すると、前走とは違って、
「逃げ」や「先行」に回っているケースが意外なほど多かったのだ。

おそらく、こういうことではないだろうか。
普段は逃げや先行を武器にしているのに、
前走に限ってはたまたま前に行けず、後方からのレースを余儀なくされた。
そんな不本意なレースにもかかわらず、
あとひと息で掲示板圏内の6着、着差も1秒未満にまとめたのだから、
調子が悪いとは考えにくい。
次走で本来のレースができれば巻き返しの可能性は十分にあるはずだ。

実際のレースがこんな皮算用ほど
簡単ではないことはわかっているつもりだが、
今週はこのような視点も加えつつ、

・前走6着
・前走着差1秒未満
・前走1700m以上
・前走ダート

の条件を満たす馬を狙ってみたい。


●今週末の該当馬

【土曜】
(阪神5R)……パーソナルブレーン
(※前走芝なのでカッコ付きだが、普段は先行、前走のみ差しのパターンに合致)

【日曜】
阪神8R……ウインバイヘヴン、チョップチョップ、トップオブパンチ
阪神10R……ショウサンウルル
中京2R……ホトダー、メルシーヨーク
中京10R……トウホクビジン

自分では予想しないほうが、当たるのでは…
出川塁(でがわ・るい)

1977年熊本県生まれ。出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。『競馬最強の法則』『サラブレ』を中心に寄稿。得意ジャンルはデータ解析。メインとする競馬のほか、サッカーでも活動中。

バックナンバー