福島開催が終了した。
さて、次はどこで勝負しようか、と考えたとき、
結論はすぐに出た。
現在行われている3場のうち、
新潟と小倉は開幕週。
当然、馬場のコンディションはわからない。
普通に考えれば
逃げ・先行馬が有利なのかもしれないが、
100%そうなるとは限らない。
対して札幌では、通常の1開催分、
8日間の競馬がすでに行われているので、
馬場の傾向を把握できる。
また、夏場のみに行われることもあって、
札幌の芝は開催が進んでも
極端に悪化することがないのも好都合だ。
福島第3週の結果がそうだったように、
1200mの競馬では馬場のバイアスが
着順に与える影響が非常に大きい。
1回札幌(6月20日~7月26日の12日間)のあいだは
Aコース使用で変わらないので、
これまでの8日間の傾向をしっかりつかめば、
的中に近づくことができるのではないか。
そういう算段だ。
土方氏によると、札幌芝1200mには、
・極端な競馬になりやすいので
同じ脚質の馬による決着が多い
・速い上がりの競馬に実績のある馬が狙い目
・外枠は圧倒的に不利
といった傾向がある。
このうち、データのチェックが必要なのは、
枠順についてだ。
まずは昨年、
Aコースで行われた札幌芝1200m
全20レースの枠順別成績を確認してみた。
1枠 2勝 勝率6.9% 複勝率31.0%
2枠 4勝 勝率12.5% 複勝率28.1%
3枠 7勝 勝率21.9% 複勝率40.6%
4枠 2勝 勝率5.9% 複勝率20.6%
5枠 1勝 勝率2.9% 複勝率20.6%
6枠 1勝 勝率2.9% 複勝率11.4%
7枠 2勝 勝率6.1% 複勝率21.2%
8枠 1勝 勝率2.9% 複勝率11.8%
こうして見ると、
1~3枠と4~8枠のあいだに
大きな境界線があるようだ。
ここで成績を区切ってみると、
1~3枠 勝率14.0% 複勝率33.3% 単勝回収率263% 複勝回収率151%
4~8枠 勝率4.1% 複勝率17.1% 単勝回収率28% 複勝回収率47%
となっており、
勝率、複勝率、回収率のいずれをとっても
大きな差があることがわかる。
単純に1~3枠の馬をベタ買いするだけで、
資金が2倍以上になる計算。
一方、4~8枠は
どの数字をとってもいいところがない。
クドくなるので掲載はしないが、
一昨年、2007年もほぼ同じだった。
「内枠有利、外枠は圧倒的不利」
という傾向は確かにあるようだ。
もちろん、大事なのは
今年もその傾向が続いているのかどうか、
ということである。
1枠 4勝 勝率15.4% 複勝率26.9%
2枠 3勝 勝率11.5% 複勝率19.2%
3枠 2勝 勝率7.4% 複勝率25.9%
4枠 0勝 勝率0.0% 複勝率13.8%
5枠 1勝 勝率3.4% 複勝率17.2%
6枠 2勝 勝率6.7% 複勝率20.0%
7枠 2勝 勝率6.5% 複勝率25.8%
8枠 3勝 勝率9.1% 複勝率27.3%
1、2枠の勝率は高いが、
複勝率では8枠がトップとなっていおり、
例年ほど内枠が有利なわけではないようだ。
今年は函館競馬場のスタンド改修に伴って、
札幌開催の時期が変わっているだけに、
その影響が出ているのだろうか。
また、昨年のデータと同じく
1~3枠と4~8枠で分けると、
1~3枠 勝率11.4% 複勝率24.1% 単勝回収率44% 複勝回収率76%
4~8枠 勝率5.3% 複勝率21.1% 単勝回収率71% 複勝回収率82%
となった。
1~3枠のほうが勝率が高いが、
昨年ほどの差はない。
複勝率はさほど変わらず、
2~3着なら外枠でも十分に狙える。
そんな傾向になっているようだ。
また、1~3枠では
単勝回収率が低いことにも注目したい。
内訳を見ると、1~3番人気しか勝っておらず、
穴馬は1頭も勝っていない。
人気薄が走っていないということは、
やはり、例年ほど内枠が有利ではない、
ということを意味しているのだろう。
ただし、その1~3番人気は
勝率40.9%と非常に高い確率で勝っており、
力上位の馬にとっては
内枠が好材料となることがうかがえる。
そして、単勝回収率159%も十分な数字。
ここを狙っていけば手堅く的中を見込め、
十分な利益も確保できそうだ。
以上のことを基本線に、
今週の予想を組み立てていきたい。
予想するのは、
今週も金曜段階で枠順のわかっているレース。
土曜の第8R、納沙布岬特別だ。
1~3枠で上位人気が予想されるのは、
2枠3番のフリーダムエアーと
3枠6番のキヲウエタオトコの2頭だろう。
前者は叩き2戦目。
札幌芝1200mで2回走って、2、3着が各1回と
コースも得意にしている。
降級初戦となる後者は
前走の1000万下でも1番人気に推されており、
おそらく実力はメンバー最上位。
どちらも甲乙つけがたい。
こういうときは人気のないほう、
という手もあるが、それでは芸がないので、
もうちょっと両馬の戦績を確認していこう。
すると、あることに気がついた。
キヲウエタオトコは内枠がダメなわけではないのだが、
良績はどちらかといえば外枠に多く、
これまでの2勝はいずれも左回りコースでのもの。
右回りでは勝ちきれないレースが目立っているのだ。
フリーダムエアーは
前述したようにコース実績があり、
実際に前走は札幌芝1200mで3枠から2着。
その前走は出遅れの不利もあっただけに、
叩き2戦目の上積みも見込める今回は、
勝負がかりなのではないだろうか。
ということで、
◎はフリーダムエアーとさせていただく。
上位人気だけに、馬券は単勝一点。
また、土方氏の言う、
「極端な競馬になりやすいので
同じ脚質の馬による決着が多い」
ということも参考に、
フリーダムエアーと同じく先行しそうな馬、
特に人気薄にも流してみたいと思う。
1977年熊本県生まれ。出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。『競馬最強の法則』『サラブレ』を中心に寄稿。得意ジャンルはデータ解析。メインとする競馬のほか、サッカーでも活動中。