馬券術どおりに買ったら、こうなった。

データの罠

先週は3日間開催にもかかわらず対象馬が2頭しかいなかった。
しかも、2頭のうち1頭が3番人気以内に推されてしまったため、
実際に買えたのは1頭のみ。

もちろん、個人的にはほかのレースでいろいろと馬券を買って競馬を楽しんだのだが、
システムが正しいのかどうか、
実証するためには1レースでもサンプルを増やすという点では、
残念ながら実りのない週末となってしまった。

・前走6着
・前走着差1秒未満
・前走1700m以上
・前走ダート

この条件を満たす馬を狙い続けるシステムがいかに優秀だったとしても、
そもそも馬券を買えないのではどうしようもない。
やみくもに馬券を買えばいいというのもではないが、
同じようなシステムをほかにもいくつか開発しなくてはならない、
という思いを強くした。

競馬データベースソフトで調べて、
「○○という条件を満たせば回収率120%以上!」
といったものを発見するのは決して難しくはない。
しかし、根拠(ないしは、根拠のある仮説)に基づいた条件かどうかとなると、
そう簡単に見つかるものではない。

根拠のないデータを信じるのは危険なことだ。
「過去半年、○○という条件を満たせば回収率120%!」
といっても、その条件に根拠がなければ、やがては本来の回収率に収束していく。
コインを投げ続ければ、
裏表の確率がやがて2分の1になるように。
サイコロを振り続ければ、
1から6までの目が出る確率がやがて6分の1になるように。

単勝馬券の控除率は約20%。
つまり、これを引いた80%が単勝馬券の本来の回収率である。
なんの根拠もなく、
「過去半年、回収率120%!」
という好結果を偶然に出した条件は、
これから先も同じような結果を出す保証はどこにもない。
むしろ、本来の回収率に近づく可能性のほうが高い。
仮に1年で収束するデータであれば、
同じ条件を買い続けた場合、
残り半年の回収率が40%になってしまうかもしれないのだ。

私は、

・前走6着
・前走着差1秒未満
・前走1700m以上
・前走ダート

という条件を、
桐生崇史氏の
『前走の「人気と着順」だけで100万馬券が当たる法則』を読んで発見するに至った。

この条件と同じように
買ってみようと思えるだけの根拠に基づいたシステムをなるべく早く公開できるよう、
現在、鋭意調べているところである。
しばし、お待ちいただきたい。

●今週末(2010年1月16、17日)の該当馬

【土曜】
中山3R オウシュウベスト
中山7R クリノマックス、ショウナンアゲイン
中山9R スズカエルマンボ
京都1R メイキングドリーム

【日曜】
京都2R サンマルボス

自分では予想しないほうが、当たるのでは…
出川塁(でがわ・るい)

1977年熊本県生まれ。出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。『競馬最強の法則』『サラブレ』を中心に寄稿。得意ジャンルはデータ解析。メインとする競馬のほか、サッカーでも活動中。

バックナンバー