酔いどれ対談
第18回
世界は見えてきたか(番外編/下)
 

 

ことしの2歳馬は
“国際コラボ血統”が目白押しだ!

駿

さて、山本オーナーがめざす世界に通用する
血統の話に戻りますが、先ほど話に出た
キングマンボは3頭中2頭が牝馬です。
これはあえて牝馬を買ったということですか。

自家繁殖馬でキングマンボをつけたら、
残念ながら牝馬に出ちゃったんですよ。

駿

ヘーェ、自家繁殖牝馬も持っているんだ。

はい、日本でもヨーロッパでも
走れる血統を追いかけたら、現時点では
キングマンボに一日の長があります。
ところがシェイク・モハメドなんかも
キングマンボを高く評価していて、
セリでもどんどん値が上がっちゃっています。
それにキングマンボ自身が高齢のためか
種付け数が減って、希少価値化しています。


 

駿

それなら自分でつくるしかないということですね。
山本さんは思い切りがいいね。
スケールが大きいよ。

いえいえ、キングマンボの種付け権を
確保するのに大変な思いをしましたが、
私は思い描いた夢は
必ず実現できると思っていますから、
バカみたいに頑張っているだけです。

駿

そのほかの期待馬というと、
どんなのがいますか。

前にもお話しましたが、
私は馬主になったころ(2004年)、
当時はヨーロッパのG1を
サドラーズウェルズの仔が勝ちまくっていました。
だからサドラーだったんですが、
日本の固い芝への適性は低かったようです。
でも、配合次第では必ず日本で走り
ヨーロッパでも走る馬が出るはずと考えていました。

駿

描いた夢は必ずかなうということですね。

からかわないでください、清水さん(笑)。
ところがサドラーが引退しちゃった。
失敗にこりて買わなくなってのではなく、
買えなくなったのです(笑)。

駿

それでキングマンボに着目し、
同時にガリレオやモンジューなどの
サドラー後継馬にも細かく目配りしてきた、
という流れになるんですね。
それにしても山本さんはあきらめないねぇ!

往生際が悪いだけです(笑)。
モンジュー牡駒は母親がドイツのG1勝ち馬です。
その父モンズーンはドイツを代表する名種牡馬で
仏独コラボレーションが
成果を結んでくれるといいですね。
ガリレオ牡駒は母親が同じモンズーンの仔で
独セントレジャーの勝ち馬です。
こちらは英独コラボレーションですね。

駿

今度はドイツ血統ですか(笑)。
ちょっと調べてみたんだが、
モンズーンの代表産駒シロッコは4カ国で走り、
独英米3カ国でG1制覇していますね。
思い返してみれば、ジャパンCで
ドイツ馬のランドが勝っています。
彼はラムタラの凱旋門賞で4着に入賞していますから、
多様なコースに適応できる
ユーティリティ・プレーヤーを育てる土壌が
ドイツにはあるのかもしれない。

海外はおおむねそうですね。
自国で走っただけではダメ、
世界に通用することを証明しないと認められません。
自国とか他国とか、
そもそもそういう意識が希薄ですね。
競馬はひとつみたいなところがあって、
ズーッとつながっています。

駿

なるほどね。鎖国体制じゃないんだ。
もともと国境たって、
ずっと地つづきで基本的に自由に行き来できる。
イギリスはドーバー海峡があるが、
パリから飛行機で1時間、
ユーロスターという向こうの新幹線だと3時間くらい、
東京から大阪へ移動する程度ですね。
鎖国なんてばかばかしくってやっていられない(笑)。

 

(あしたにつづく)

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