酔いどれ対談
第27回
ホースマン藤澤和雄師を語る(5)
 

 

カジノドライヴのいなくなったベルモントS
山本英俊さんと藤澤和雄調教師は
それぞれどういう思いで
ビッグブラウンの三冠挑戦をみたのか?

カジノドライヴは回避することになったけど、
当日、私と藤澤先生は当然、競馬場にいたわけです。
発走時刻が間近に迫った時、私は藤澤先生に
『スタンドでレースを観ましょう』って誘いました。
そうしたら先生は急に『やだ』っていうんです。

駿

レースを観たくないということですか?

そういうことです。カジノは出られなくなった。
でもビッグブラウンの三冠がかかっているし、
逃げずに観ましょうよと誘ったけど、
『観たくない』というんです。
私が現地に連れて行った他の仲間は皆、
レースを観るためにスタンドに移動して行ったけど、
藤澤先生は観たくないという。
仕方ないから私はスタンドの中で、
外をみることができない部屋に先生と
二人きりで残りました。そうしたら、
もう本当にスタートするというギリギリの時点で
今度は一転して『レースを観に行こう』と
いい出したんです(苦笑)。


 

駿

なんだそれは?
本質的な勝負師の血がジッとして
いられなくなったということかな?

それで結局、レースの観られる席まで移動しました。
そこはビッグブラウンの関係者の隣の席でした。
私たちのカジノはアメリカの馬なら迷わず
使っているくらいのほんのちょっとの挫跖で
出走を回避した。でも、ライバルだった
ビッグブラウンは割れている爪をワイヤーで
抑えてまで出走していた。ビッグの調教師は
公開の記者会見で『カジノドライヴが4コーナーを
回る頃、我々は表彰式をしているだろう』
とまでいっていたような人で、私は少々複雑な
思いでレースを観ることになりました。

駿

それはたしかに藤澤調教師も
変な行動だと言われても仕方ないね。

いえいえ、本当に奇妙な行動をとるのは
まだこれから先なんですよ。

駿

最初はみたくないといっていたレースを、
発走直前にやっぱり観るといい出した。
それで急遽ライバル陣営の隣の席に移動した。
これだけでも十分、妙な行動ですけどね…。

いや、このあとの藤澤先生の
態度を聞いたら驚きますよ(笑)。

 

(あしたにつづく)

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