ミスター・海外競馬 合田直弘氏インタビュー 海の向こうの競馬7 そしてホースマン

昨年の牝馬2冠馬ブエナビスタが出走するドバイシーマクラシックなど、4つのG1競走が、一日で行なわれるドバイミーティングを“世界の合田直弘氏”が完全解説してくれます!!
第9回
レッドディザイアの末脚が活きるレース展開に!?

世界各地の強豪たちが参戦してくるG1ドバイワールドC(AW2000m)。
昨年の米最優秀古牡馬ジオポンティ以外にも、
レッドディザイアのライバルは多数存在すると、合田さんは指摘します。

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「一昨年の仏ダービー馬で、昨年12月のG1香港Cを快勝した
  ヴィジオンデタの経験や実績は侮れないところです。
  欧州馬ですが、軽い芝にも対応できるタイプですから、
  メイダンのタペタコースも問題なくこなせるはず。
  昨秋のG1ブリーダーズCクラシックで、
  ゼニヤッタ、ジオポンティに続く3着に入った
  トゥワイスオーヴァーも、怖い存在となってきそうです」

「もう一頭、伏兵としてマークしておきたいのが、
  米のリチャーズキッド。
  オールウェザーコースで争われた
  G1パシフィッククラシックSの勝ち馬で、
  持ち前の末脚が爆発する展開になれば、
  とてつもなく強い競馬をするタイプです。
  今季緒戦のG2サンアントニオHでも
  キッチリと勝利していますから、調子の方も良さそうですね」

レッドディザイアにとって、まさに強敵揃いのドバイワールドCですが、
レース展開については、ディザイア向きのものになるのではと、
合田さんは推察しています。

「マクトゥームチャレンジラウンド3は、
  逃げたグロリアデカンペオンが2着したように、
  基本的にはスローペースで流れた、前残りの競馬でした。
  本番のドバイワールドCでは、好位から競馬を進める
  有力馬のヴィジオンデタが、
  グロリアデカンペオンら先行勢を突つきながらレースを進めていくはず。
  当然、道中のペースは上がってきますから、
  末脚勝負のレッドディザイアにとって、
  打ってつけの展開になりそうです」

最後に、合田さんは、ドバイミーティングの意義を、
こんな言葉でまとめてくれました。

「例えば、大地震の被害に遭ったばかりのチリ産馬とか、
  南アフリカ、トルコ、サウジアラビア、シンガポールの調教馬といった、
  幅広い国々から参戦馬が集ってくることが、
  ドバイミーティング最大の特徴になっています。
  おそらく、世界中の国際的な競馬イベントのなかでも、
  参加国の多さという面では、
  ドバイミーティングは群を抜いているのではないでしょうか。
  そのなかで、レッドディザイアやブエナビスタが勝ち上がってくれば、
  日本の競馬ファンとして、こんなに誇らしいことはないですよね!」

現在、レース観戦のため、ドバイ滞在中の合田さん。
当地のお土産話を含む、ドバイミーティングの各レース評は、
4月1日(木)からお届けする予定です。
お楽しみに!

(次回更新は4月1日・木曜日の予定です)


構成・文/関口隆哉


合田直弘氏プロフィール

1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。 現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。