ミスター・海外競馬 合田直弘氏インタビュー 海の向こうの競馬7 そしてホースマン

昨年の牝馬2冠馬ブエナビスタが出走するドバイシーマクラシックなど、4つのG1競走が、一日で行なわれるドバイミーティングを“世界の合田直弘氏”が完全解説してくれます!!
第11回
タペタコースに替わっても、アメリカ馬の強さは不変

日本馬ローレルゲレイロが参戦した、
G1ドバイゴールドシャヒーン(AW1200m)は、
アメリカの5歳セン馬キンセールキングが栄冠に輝きました。

合田さんは、キンセールキングの勝利を、こう評価しています。

「ダート戦で行なわれていた過去10年間の
  ドバイゴールデンシャヒーンは、
  アメリカ馬が8勝と圧倒的な強さを発揮していました。
  ところが、タペタコースに替わったことで、
  今年は、米ダート戦線を走る一流短距離馬たちが、
  軒並み出走をキャンセルしたのですね。
  米から参戦したのは、オールウェザーコースを得意としている
  キンセールキング一頭だけ。
  その馬が勝ってしまったわけですから、
  やはり米のトップスプリンターたちが持つスピードとパワーは、
  超一級品のものがあるのでしょう」

合田さんが本命に推していた、シンガポール馬ロケットマンは、
キンセールキングから半馬身差の2着に終わりました。

「ロケットマンにとっては、非常に惜しいレースでした。
  もう少しスムーズに競馬を進めていれば、
  あるいはゴール前で、キンセールキングを交わしていたかもしれません。
  まあ、3着に入った香港馬ワンワールドとともに、
  東アジアで走っているスプリンターたちの
  レベルの高さを示してくれたことは、良かったですけど・・・」

2、3着馬と同じ東アジア勢でもある
ローレルゲレイロは4着に健闘しました。

「このドバイゴールデンシャヒーンでは、
  日本勢が未だ勝利を得ていないということもあって、
  イギリスのブックメーカーのローレルゲレイロに対するオッズは、
  最低人気だったんですよね」

少し苦笑しながら、こう切り出した合田さんが続けます。

「でも、タペタコースへの適性を上手に活かして、
  今回のローレルゲレイロは、本当に粘り強いレースをしたと思います。
  4着に入ったことで、グロリアスノア同様、
  レース後の祝福セレモニーにも呼ばれたわけですから、
  “好結果を残せた” と評価していいのではないでしょうか」

明日は、G1ドバイデューティフリーのレース評です。
乞うご期待のほどを!

(明日更新の第12回に続く)


構成・文/関口隆哉


合田直弘氏プロフィール

1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。 現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。