ミスター・海外競馬 合田直弘氏インタビュー 海の向こうの競馬7 そしてホースマン

昨年の牝馬2冠馬ブエナビスタが出走するドバイシーマクラシックなど、4つのG1競走が、一日で行なわれるドバイミーティングを“世界の合田直弘氏”が完全解説してくれます!!
第6回
シンガポールの短距離王は新たなる歴史を築けるか!?

ダート1200mで争われていた昨年まで、
延べ6頭の日本馬(アグネスジェダイは2年連続出走)が挑戦してきた
G1ドバイゴールデンシャヒーン。
これまでの最高着順は、昨2009年のバンブーエールの4着で、
日本馬にとっては、なかなかに敷居の高い競走となっています。
ダート戦からオールウェザーコース1200m戦に変更される今年は、
2009年JRA最優秀短距離馬ローレルゲレイロが参戦します。

「昨年暮れのG1香港スプリントでは、
  素晴らしいテンのスピードを発揮したローレルゲレイロですが、
  直線では完全に失速してしまった。
  今回も、正攻法の逃げに徹するのでしょうが、
  パワーも問われる香港の芝よりは、
  メイダン競馬場のオールウェザーコースの方が、
  持ち前のスピードを最後まで発揮できる可能性は高いと思います。
  おそらく、ローレルゲレイロ陣営も、
  マクトゥームチャレンジラウンド3における
  レッドディザイアの勝利を見て、
  “このコースは日本馬向きだぞ!” と意を強くしたのではないでしょうか」

「とはいえ・・・」と、いく分苦笑気味に、合田さんが続けます。

「今年のドバイゴールデンシャヒーンは、出走メンバーが強い。
  シンガポールのスプリント王ロケットマン、
  昨年暮れの香港スプリントで2着したワンワールド、
  そしてゴドルフィン所属のガイエゴといった
  世界各地の強豪スプリンターが一堂に会しますからね。
  現在のスプリント界のレベルは高く、
  トップクラスの短距離馬は、あきれるほど強力です(笑)。
  ローレルゲレイロにとっても、
  世界の壁は、かなり厚いのではないでしょうか」

では、ドバイゴールデンシャヒーンにおける合田さんの “一押し” は?

「注目しているのは、シンガポールのロケットマンです。
  もし、この馬がドバイゴールデンシャヒーンを勝つことになれば、
  シンガポール競馬界にとって、まさしく歴史的快挙となりますものね」

明日は、日本馬グロリアスノアが参戦するG2ゴドルフィンマイルと、
G2 UAEダービーの話題を中心にお届けします。
乞うご期待のほどを!

(明日更新の第7回に続く)


構成・文/関口隆哉


合田直弘氏プロフィール

1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。 現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。