ミスター・海外競馬 合田直弘氏インタビュー 海の向こうの競馬7 そしてホースマン

昨年の牝馬2冠馬ブエナビスタが出走するドバイシーマクラシックなど、4つのG1競走が、一日で行なわれるドバイミーティングを“世界の合田直弘氏”が完全解説してくれます!!
第4回
レベル高い好メンバーが揃ったドバイシーマクラシック

「ブエナビスタが出走する、ドバイシーマクラシックは、
  本当に強いメンバーが揃いました」

そう語る合田さんですが、日本の女傑ブエナビスタには、
どの程度の期待が懸けられるのでしょうか?

「もちろん、勝つチャンスは十分にあると見ます。
  ただし、ブエナビスタと同じように勝利の可能性を持つ
  ライバルたちが、たくさんいるのも事実ですよね」

「まず、昨年のドバイシーマクラシックで2着している、
  欧州のG1馬スパニッシュムーンが怖い存在です。
  昨年暮れのG1香港ヴァーズでも2着していますし、
  遠征競馬の強さ、安定感の高さは素晴らしいものがあります」

「実績から言えば、G1凱旋門賞で3年連続2着している
  ユームザインが筆頭格ですが、シーズン当初は、あまり走らない傾向もある。
  むしろ、欧州勢なら、ブエナビスタと同じ牝馬で、
  昨年のG1ヨークシャーオークスを制したダーレミ、
  ドバイワールドCから、このドバイシーマクラシックに標的を変えてきた、
  昨年の凱旋門賞3着馬キャヴァルリーマンの方が強敵かもしれません」

では、合田さんがもっとも警戒する外国馬は?

「昨年のブリーダーズCターフで2着した
  アメリカ馬のプレシャスパッションですね。
  典型的な逃げ馬ですが、自分の競馬ができたときには、
  とてつもない強さを発揮します」

「いずれにしても、これだけの好メンバーを向こうに回し、
  ブエナビスタが勝利を収めることができたら、
  その価値は、非常に高いものであることは、間違いないですね」

芝で行なわれる、もうひとつのG1レースが、
2007年に日本馬アドマイヤムーンが勝利した、
ドバイデューティフリーです。

「今年は、日本馬の出走がありませんが、
  このレースには珍しく、ややメンバーが手薄な感もあります。
  最有力候補は、メイダン競馬場の芝1800mを舞台としたプレップG2戦を
  強い内容で制した、イギリス馬プレスヴィスだと考えています。
  対抗には、メイダン競馬場の芝1600mで争われたG2重賞を勝った
  6歳牡馬バンカブルを推します。
  これに、ゴドルフィン所属のアレクサンドロスを加えた
  3頭の優勝争いになるのではないでしょうか」

明日は、ドバイワールドCの舞台にもなる
メイダン競馬場のオールウェザー(タペタ)コースを合田さんが分析します。
ご期待ください!

(明日更新の第5回に続く)


構成・文/関口隆哉


合田直弘氏プロフィール

1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。 現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。