現地時間3月27日(土)に行われた、ドバイミーティング。
まずは、2月上旬に続き、メイダン競馬場を訪れた合田さんに、
この2カ月弱の間の競馬場の変化を尋ねてみました。
「2月上旬の段階では、まだまだ未完成な部分も多かったのですが、
前日まで続いた突貫工事で、なんとか体裁を整えたという感じでした。
とはいえ、プレスルームのブースには、
無線LANも整備されていなかったし、モニターもなかった(笑)。
まあ、これらの設備は、自前でなんとかしたのですが…」
「でも、メイダン競馬場の雰囲気は最高でした。
日本からも、ツアーでたくさんの競馬ファンが訪れていたと聞いていますが、
地元ドバイはもちろん、世界各国から集ったファンたちが、
自国から参戦する馬たちを熱烈に応援していた。
世界一の参加国数を誇るドバイミーティングは、
まさに “競馬のオリンピック” なんだと、強く感じましたね」
ドバイミーティングで行われたG2、G3の国際競走は、全部で3つ。
世界中のスピード自慢が集ったG3アルクォズスプリント(芝1200m)は、
香港馬ジョイアンドファンが地元UAEのフラヴァシを抑えて優勝。
BCターフスプリントを制したカリフォルニアフラッグは、3着でした。
北半球生まれの3歳馬と南半球生まれの4歳馬に出走資格がある
G2・UAEダービー(AW1900m)は、1着ムシール、2着ライハナと、
南アフリカ勢が、上位を独占しています。
G2ゴドルフィンマイル(AW1600m)は、
1着カーミングインフルエンス、2着グリーンコースト、
3着スカイサーファーズと地元UAEの馬たちが大活躍。
日本から参戦したグロリアスノアは、最後まで、よく脚を伸ばし、
4着に食い込みました。
「矢作芳人調教師は、“勝つつもりで、グロリアスノアを連れてきた” と
仰っていましたから、悔しい敗戦だったかと思いますが、
現時点での、この馬の力を出し切った、
非常に良い競馬をしてくれたのではないでしょうか。
メイダン競馬場で行われる国際レースでは、
4着に入った馬までが、レースコースから一度パドックの方に戻って、
ファンの祝福を受けることになっているのですが、
グロリアスノアも、その権利を見事に得て、
栄えあるセレモニーに参加することができたわけですし」
「もうひとつ、今回のグロリアスノアの好走は、
日本のダート馬でも、タペタコースに十分対応できることを
証明してくれました。
もちろん個体差はありますが、
日本のダート戦線の超一流馬がドバイワールドCに参戦してきても、
好勝負は十分に可能だと思います」
明日はG1ドバイゴールデンシャヒーンのレース評をお届けします。
お楽しみに!
(明日更新の第11回に続く)
構成・文/関口隆哉
1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。 現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。