日本から遠征したエリザベス女王杯馬クィーンスプマンテを含む、
10頭が参戦してきたG1香港C(芝2000m)は、
日本でもお馴染みのO・ペリエ騎手が手綱を取る、
昨年の仏ダービー馬ヴィジオンデタ(牡4歳)が、
香港ダービーの勝ち馬でもある4歳セン馬コレクションを4分の3馬身差抑え、
見事にG1戦4勝目をあげました。
まずは、果敢に先手を取ったものの、
直線で失速し、最下位に終ったクィーンスプマンテについて、
合田さんにコメントを伺いました。
「クィーンスプマンテにとって誤算だったのは、
出走回避馬が出て、繰り上がりで出てきたアイシャルという香港馬に、
終始、絡まれてしまったことです。
特に、800m過ぎからラップが上がってしまったことが、
直線での失速に繋がってしまいましたね。
アイシャルに関しては、
“急に出てきて、余計なことしやがって” という想いでいます(笑)」
「ただ、結果は伴わなかったけど、
小島茂之調教師のような、若くて意欲のあるトレーナーが、
このレースに挑戦してきたのは、本当に良いことだったと思います。
今回の経験を、是非、次の挑戦に活かしていただきたいですね」
日本に種牡馬として導入されたチチカステナンゴを父に持つ
ヴィジオンデタは、戦前、合田さんが単穴評価としていた馬でした。
「安定感のないタイプと言いましたが、
この香港カップに関しては、調教段階から調子の良さが際立っていたし、
完璧に仕上がっていましたね。
陣営も、早い時期から、秋の最大目標を香港カップに置いていたようです」
「ただ、レース直前にオフィシャルから、
ヴィジオンデタの脚元に腫れが見られるという発表があった。
で、レース当日朝の診察をクリアして出走となったのですが、
このアクシデントで単勝オッズが7倍にまで跳ね上がっていた。
この数字は、明らかに付けすぎですよね!」
ということで、香港国際競走のレース評編は、今日でおしまいです。
来週の水曜日(12月23日)からは、
2009年海外競馬の総括を合田さんに語ってもらう予定でいます。
お楽しみに、お待ちくださいませ!
(次回、第9回は12月23日の水曜日にお届けします)
構成・文/関口隆哉
1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。