合田直弘氏インタビュー 海の向こうの競馬6 そしてホースマン

12月13日(日)、香港シャンティン競馬場で、世界各地から競合が集う香港国際競馬が開催されます。
最終回
日本馬が参戦する海外ビッグレースの馬券発売実現を!

「身もフタもない言い方ですが(笑)、
  競馬における400年の歴史を振り返ってみると、
  お金のあるところに、いい馬が集ることは、疑いようの事実。
  その意味では、国力、経済力が低迷している日本の競馬界も、
  正念場を迎えていることは確かですね」

そう言った合田さんが、日本競馬界の馬券発売システムに関して、
こんなアイディアを披露してくれました。

「日本の競馬ファンは本当に研究熱心だし、
  POGとかも盛んに行なわれていますよね。
  そこで、ケンタッキーダービー方式で、
  日本ダービーの前売り馬券を、
  前年の7月、暮れ、その年の3月といった具合に、
  期限を決めて発売するのはどうでしょう。
  当然、本番より遠い時点で発売される馬券は、
  オッズも高くなる。
  例えば、前年7月の段階で3連単を的中させていれば、
  100円が1億円になる可能性も、十分にあるわけです」

「それと、これはもっと現実的なことかと思いますが、
  日本馬が多数参戦するドバイワールドCや、
  香港国際競走の馬券を、是非発売して欲しいですね。
  既存の施設を使って馬券を売ればいいわけだから、
  新たに大量の経費を投入する必要もない。
  法律的に、どんな手続きが要るのかは、よく分かりませんが、
  その気になれば、出来ることはたくさんあるはずです。
  馬券がたくさん売れれば、
  日本の競馬は、それだけ強くなっていくのですから」

さて、2010年日本競馬界の話題と言えば、
JRA初の海外居住者馬主として、
シェイク・モハメド殿下とその一族、計3名が、
認可される方向となったことです。

「日本競馬界に新風が巻き起こるか、楽しみです。
  日本ダービーに殿下ご自身がいらしてくれるようなことになれば、
  社会的なニュースにもなりますしね。
  ただし、当日の東京競馬場の警備体制は、
  物凄~く、厳しいものになるでしょうが(笑)」

ということで、香港国際競走のプレビューから続いてきた
『海の向こうの競馬、そしてホースマン6』は、今回でフィニッシュです。
2010年も、合田さんには、ちょくちょくと、
ご登場願う予定になっていますので、
相も変わらぬご贔屓のほどを!

(完)


構成・文/関口隆哉




1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。