2010年春から種牡馬供用されるシーザスターズの繋養先は、
英の代表的オーナーブリーダーであるアガ・カーン殿下が所有する、
アイルランドのギルタウンスタッドに決定しています。
合田さんは、種牡馬シーザスターズの成功に対して、
早くも太鼓判を押しています。
「まず、競走時代に8F、10F、12Fの各カテゴリーで
G1勝ちを果している圧倒的な総合能力、
次に、2歳時から重賞勝ちしている
仕上がりの早さを持っていること、
3番目として、母アーバンシーが凱旋門賞馬、
半兄ガリレオが英、愛ダービー馬で、
種牡馬としても成功しているという超一級品の母系、
最後に、繋養されるスタッドも一流だし、
配合される繁殖牝馬も超豪華ですから、
ほとんど失敗することは考えられない。
実際、競馬の未来を、すべて種牡馬シーザスターズに
託してしまう感すらしますよね」
そのシーザスターズも、初G1制覇となった
英2000ギニーを走るときは、6番人気という評価でした。
「3月に熱発していたことが、
英2000ギニーでの低い評価に繋がったわけですが、
続く英ダービーでも距離不安云々が言われて、
1番人気ではなかったのですよね。
まあ、今となれば、
“マスコミは、いったい何を見ていたのじゃ!”
ということなのですが…(笑)」
さて、シーザスターズの現役引退とともに、
その主戦であるマイケル・キネーン騎手も、
ジョッキー生活に別れを告げることを表明しました。
「 “自分が過去に乗ってきた歴代の名馬のなかでも、
シーザスターズのような完璧な馬はいなかった” と、
キネーン騎手がコメントしていましたが、
実際のところ、シーザスターズは、
かなり乗り方が難しい馬だったのではないでしょうか。
その意味では、シーザスターズの快進撃に対して、
キネーン騎手が果した役割は、本当に大きかったと思います」
(明日更新の第11回に続く)
構成・文/関口隆哉
1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。