合田直弘氏インタビュー 海の向こうの競馬6 そしてホースマン

12月13日(日)、香港シャンティン競馬場で、世界各地から競合が集う香港国際競馬が開催されます。
第13回
新設の競馬場で開催されるドバイワールドCに大注目!

「2010年海外競馬の楽しみと言えば、
  まずは、新たに建設されたメイダン競馬場で行なわれる
  ドバイワールドCということになります」

「2009年暮れに、最初のプレスへのお披露目がありましたが、
  端から端までが1kmある6万人収容の壮麗なスタンドを持ち、
  さらに、船で直接横付けできるという競馬場が、どんなもので、
  そこでどういう競馬が繰り広げられるのか、
  本当に興味が尽きないですね」

いかにも楽しそうに、そう語る合田さん。
とはいえ、日本でも話題になった “ドバイショック” は、
当地の競馬に影響を与えないのでしょうか?

「ちょうど、ニューマーケットにいるときに、
  “ドバイショック” のニュースを聞きまして、
  実際、ぼくのところにも、各方面から問い合わせがありました」

「結論から言えば、まったく影響はない、ということになります。
  これは、シェイク・モハメド殿下に近い関係者の方から、
  直接、聞いたことなのですが、
  殿下の一族が、競馬を主催したり、馬を買ったりすることは、
  私財のなかで賄われているのですね。
  従って、今回問題になった、政府系企業のお金と、
  ドバイの競馬に関するお金は、完全に別モノということになります。
  実際、タタソールズのセールでも、
  殿下の一族は、高い馬を買いまくっていましたよ(笑)」

「2010年のドバイワールドCに話を戻すと、
  米からブリーダーズCクラシックでゼニヤッタの2着、3着した、
  ジオポンティとトゥワイスオーヴァー、
  欧州から香港Cを制したヴィジオンデタ、
  そして日本からウオッカ、エスポワールシチー、
  さらにはブエナビスタの参戦まで噂されているわけですから、
  凄い競馬になることは間違いない。
  “タペタ” というオールウェザーコースが、どういうものかは、
  まだ分かりませんが、
  これまでの傾向から、AWでは芝馬が活躍している。
  日本の芝戦線のトップが参戦してくるのも、当然の流れかもしれません」

(明日更新の第14回に続く)


構成・文/関口隆哉




1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。