圧倒的な1番人気に推されていた2011年のG1スプリンターズSこそ、
いまひとつ実力を発揮できす、カレンチャンの4着に敗れましたが、
「シンガポールの英雄」 ロケットマン “Rocket Man” が、
世界トップクラスの現役スプリンターであることは、間違いないでしょう。
さて、このロケットマンという馬名ですが、
これまでは、イギリス出身の超有名アーティスト、
エルトン・ジョン “Elton John” の代表曲のひとつである
「ロケットマン」 から、その名をとったものだと思っていました。
エルトン・ジョンの 「ロケットマン」 は、
1972年に発表された、名作の誉れ高きアルバム
「ホンキー・シャトー “Honky Chateau”」 に収録されていたシングル曲で、
全英ヒットチャートで2位、全米で6位を記録しました。
「ぼくは、ひとりここで導火線に火を付ける “ロケットマン”」 という
切ない歌詞を、エルトンが情感たっぷりに謳い上げる、
ロッカバラード 「ロケットマン」 は、たくさんの傑作が存在した
初期エルトン作品のなかでも、特にファンの支持が多い一曲です。
また、エルトン自身も、この曲を相当に、気に入っているようで、
現在製作中である自らの伝記映画のタイトルを、
そのものズバリの 『ロケットマン』 としているのです。
シンガポール競馬界が送り出した、
初の世界的名馬であるロケットマンの馬名が、
ワールドワイドな超セレブ歌手の代表曲から名付けられたとあれば、
これはこれで、よくできた話だと考えていたのですが、
競走馬ロケットマンを管理する、
パトリック・ショー調教師のコメントによって、
この馬名の由来は、あっさり否定されたのです。
「みんな、エルトン・ジョンの “ロケットマン” から名付けたのだろうと
考えていると思うけど、実は、馬名を考えているときに、
たまたまテレビのヴァラエティショーで観た、
ドーバー海峡を飛んでいく、“人間ロケット = Rocket Man” を
モチーフにしたんだよ」
ということは、名短距離馬ロケットマンの馬名の起源は、
世界の超セレブ、エルトン・ジョンにではなく、
ダチョウ倶楽部の “竜ちゃん (= 上島竜平氏)” に
近いところにあったわけです。
まあ、「訳は分からないけど、とにかく凄い勢い」 という点では、
竜ちゃん (あるいは、その類の人) が体現する人間ロケットの方が、
エルトンの名曲よりも勝っている気はするのですが…。
(次回は10月12の水曜日にお届けします) 構成・文/関口隆哉