武豊 西川哲 新春特別対談

“スーパージョッキー”武豊騎手と、競馬の世界でトップを目指す東京サラブレッドクラブ社長西川哲が存分に語り尽くしてくれました。
第12回
後の米2冠馬のデビュー戦で感じたケタ違いの能力

  

凱旋門賞のような海外のビッグレースを制した馬でも、
日本でジャパンCを走ると、いまひとつということは多いよね。
やはり、日本と海外では、適性の違いがあるの?

確かにあります。
ヨーロッパとアメリカでも、だいぶ違いますしね。
日本馬でも、“これをフランスに持っていったら、きっと走るゾ!” と
思えるタイプもいます。
まあ、馬は自分の意志で走る場所を選べない。
その意味では、買われた馬主の国籍によって、
運命が大きく左右されてしまう面はありますよね。

話は変わるけど、
武ちゃんがアメリカに滞在していたときに、
凄い名馬のデビュー戦(注1)に騎乗したのでしょ。

後に、プリークネスSとベルモントSの米二冠を勝つ
ポイントギヴンのことですね。

やっぱり、レースに乗ったときの感覚みたいなものは、
ほかの馬とは違った?

600キロ近い超大型馬で、1100mのレースだったのだけど、
スタート直後は、まったく付いていけなかった(笑)。
ところが、直線で追い込んだときの脚は、物凄いものだった。
結局、2着に負けたけど、“これはモノが違うな” とは感じました。
それにしても、後に2400mのベルモントSを12馬身差以上付けて
ブッ千切った馬、
“よりによって1100mのレースに乗せることはないだろう!”
とは、今でも思っていますけど(笑)。
  
 

(水曜日更新の第13回につづく)

 明日は、日本とはだいぶ違う、海外の競馬場やファンの話題を
武騎手が語ってくれます。
  
 (注1)
2000年8月12日、カリフォルニ州デルマー競馬場で行なわれた
D5.5F(約1100m)のメイドン(未勝利戦)で、アメリカに長期滞在中だった武豊が、
名門ボブ・バファート厩舎所属のポイントギヴンの手綱を取った。
  
 武豊騎手のオフィシャルサイトへはこちらからどうぞ