武豊西川哲新春特別対談

“スーパージョッキー”武豊騎手と、競馬の世界でトップを目指す東京サラブレッドクラブ社長西川哲が存分に語り尽くしてくれました。

第16回: ほかの騎手の成績は気にしないが、騎乗法は気になる


哲	ところで、リーディングジョッキーとか、賞金王とかのタイトルに、武ちゃんは、こだわりを持っている？

武	昨年はリーディング争いが激しくなって、周囲がぼくに対して、ちょっとビックリするくらい気を遣ってくれたのですが（笑）、正直、タイトルに、それほど強いこだわりを持っているわけではないですね。
哲	まあ、若いときならともかく、現在の武ちゃんにとって、リーディングジョッキーを獲得するか、どうかは、さしたる問題ではないのだろうね。昨日話に出た、“凄くいいこと” のように、本当の目標は、もっと高いところにあるわけだから。
武	本当に、その通りですね。実際、“ほかのジョッキーが今何勝しているか” とか、ぼくは、まったく知らないですし・・・。

哲	まあ、マスコミは、とにかく数字が好きだから（笑）、周囲が勝手に盛り上がったり、気を遣ったりするんだろうね。
武	昨年に関しては、リーディング云々は別にして、内容的には、まったく満足していません。海外のレースでも、勝つことができなかったですしね。
哲	さっき、“ほかのジョッキーの成績は気にしない” という話が出たけど、武ちゃんにとって、特定のライバルとかって、やはりいないのかな？
武	誰かに対するライバル心みたいのは、ほとんどないですね。ただ、成績は気にしないけど、そのジョッキーの騎乗法には、凄く興味がある。 “この人は、あの馬を、どう乗るのだろう？” というのは、常に気になるところです。レース後、ほかのジョッキーと、そういう話題を話すことは、けっこうありますね。
哲	まあ、ほかのジョッキーのなかには、 “武豊だけには絶対負けたくない” という気持ちをモチベーションにしている人もいるかもしれないけど・・・。
武	モチベーションの持ち方は、本当に人それぞれでしょう。 “とにかくお金だ！” と公言している人もいますしね（笑）。

	（月曜日更新の第17回につづく）

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