武豊 西川哲 新春特別対談

“スーパージョッキー”武豊騎手と、競馬の世界でトップを目指す東京サラブレッドクラブ社長西川哲が存分に語り尽くしてくれました。
第11回
アメリカで浴びせられた、辛い言葉

  

海外に常駐しているプロゴルファーたちからも、
よく聞くことだけど、
ゴルフの世界では、
日本人や東洋人に対する人種差別的なことが、
決してないわけではない。
競馬もイギリスで生まれた伝統的な競技だから、
日本人に対する差別意識みたいなものもあるかと思うのだけど、
正直なところ、どうだった?

まあ、人種差別的なことを、感じたことは確かにありましたよ。
アメリカでの話ですけど、
“日本人なんかに、オレの馬を乗せるな” と、
はっきり言った馬主もいましたしね。
あと、“パールハーバーで肉親を失ったから、日本人は嫌いだ”
と言われたこともある。
そこまで、悪意を表に出されたわけではないけど、
フランス語で、細かい内容はよく分からないものの、
“あっ、今オレの悪口言っているな”(笑)
と感じることも多かったかな。

海外の競馬関係者の、日本競馬に対する理解度みたいのは、
どんな感じなの?

もちろん、ちゃんと分かってらっしゃる人もいますけど、
1990年代初めに、ぼくがアメリカに行ったときには、
“エッ、日本でも競馬やっているの?” って、
本気で言われたことがありましたから。
“そういえば、ジャパンCとかいうレースがあったね”
なんてね(笑)。

日本では、競馬ブームが起きていて、
凄く盛り上がっていた時期なのにねぇ(笑)。
  
 

(月曜日更新の第12回につづく)

 明日は、武豊騎手がアメリカで、そのデビュー戦の手綱を取った、
米二冠馬ポイントギヴンの話題などをお届けします。
お楽しみに!
  
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