武豊西川哲新春特別対談

“スーパージョッキー”武豊騎手と、競馬の世界でトップを目指す東京サラブレッドクラブ社長西川哲が存分に語り尽くしてくれました。

第9回: メンタルトレーニングは不要のタイプ!?

内外を問わず、あらゆる競技の現役トッププレイヤーが取り入れているメンタルトレーニング。常に、精神的な強さを賞賛されている武豊騎手ですが、やはり、メンタル面を鍛える、特別なトレーニングをしているのでしょうか。
哲	ぼくは、武ちゃんは、そういうことをしないタイプだと考えているのだけど・・・。
武	ウ～ン、まさにその通りですねぇ。例えば、コーチに何か言われたりしたら、 “お前なんかに、とやかく言われたくない！” と、思ってしまいますから（笑）。まあ、若手ジョッキーのなかには、積極的にメンタルトレーニングを取り入れている人もいるようですが、それがプラスに働くなら、それはそれでいいのではないですか（笑）。

哲	ぼくなんかも、自分で苦労して、そこでもがきにもがくからこそ、勝ったときの喜びが、より大きくなると考えるタイプ。メンタルトレーニングのコーチや、フォームなどを見てくれる、コーチングのプロの指示に従って勝っても、あまり嬉しくないと、考えてしまうんだよね。昔の師匠たちって、本当に弟子に何も教えなかったから（笑）。ぼくも、“世界の青木功” プロが師匠なのだけど、青木さんに具体的に教えてもらったことって、ほとんどない。でも、青木さんと一緒に練習するだけでも、得るものは、凄くあったよね。
武	ぼくも、兄弟子が河内洋（現調教師）さんなのですが、一緒にレースに乗っても、その後で、何か言われたことって、本当になかったなぁ（笑）。

	（水曜日更新の第10回につづく）
	次回からは、武豊騎手が熱心に取り組んできた、海外遠征の話題を中心にお届けします。お楽しみに！

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