合田直弘氏インタビュー 海の向こうの競馬4 そしてホースマン

アメリカ競馬の祭典であり、1年の総決算でもある第26回ブリーダーズC・ワールドサラブレッドチャンピオンシップが、現地時間11月6、7日の2日間に渡り、米カリフォルニア州サンタアニタパーク競馬場で開催されます。
第10回
マイルの女帝ゴルディコヴァは来年3連覇を目指す!?

現地時間11月7日に行われたG1ブリーダーズCマイル(芝8F)は、
日本でもお馴染みのオリビエ・ペリエ騎手が手綱をとった
フランスの4歳牝馬ゴルディコヴァが、昨年に続く連覇を達成しました。

合田さんも、今回のブリーダーズCマイルにおけるゴルディコヴァの勝利に、
一定の評価を与えています。

「圧倒的な1番人気に推されながら3着に敗れた
  前走のG1フォレ賞に関しては、
  “フケ説” なども囁かれていたのですが、
  確かに、いささか不可解な負け方ではありましたよね。
  でも、今回のブリーダーズCマイルについては、
  ほぼ実力通りの競馬を見せてくれたのではないでしょうか」

これでゴルディコヴァは、地元フランスの大レースであるムーランドロンシャン賞、
ジャックルマロワ賞などを含む7つ目のマイルG1タイトルを獲得することとなりました。

“やはりゴルディコヴァは、世界最高の現役マイラーという評価ができますよね?”
という質問を合田さんに投げかけてみたところ、こんな答えが返ってきました。

「ウ~ン、今回はブリーダーズCクラシックに挑戦して敗れた
  リップヴァンウィンクルと比較した場合、
  マイラーとしての強さは、リップヴァンウィンクルの方が、
  ちょっと上かなと、個人的には考えています。
  まあ、この両雄は、いまだ未対決ですし、
  もし、両馬ともに来年も現役を続けるとしたら、
  競馬ファンとして是非とも観てみたい夢の対戦カードですよね」

まさしく歴史的な名マイラーの地位を確立したゴルディコヴァですが、
今後の予定は決まっているのでしょうか?

「これで現役生活に終止符を打ち、
  来春から繁殖生活に入るという選択肢もあるかとは思いますが、
  一部からは、来年も現役を続け、
  前人未踏の“ブリーダーズCマイル3連覇”を目指すのでは、
  という声もあがっています。
  マイルに限らず、どのカテゴリーでも、
  ブリーダーズCで3連覇を達成した馬はいませんから、
  ゴルディコヴァには、
  その大偉業にチャレンジして欲しいと思っています」

明日は、マイルに続いて連覇が達成された、
ブリーダーズCターフのレース評をお届けします。
乞うご期待!

(明日更新の第11回に続く)

構成・文/関口隆哉



1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。