合田直弘氏インタビュー 海の向こうの競馬4 そしてホースマン

アメリカ競馬の祭典であり、1年の総決算でもある第26回ブリーダーズC・ワールドサラブレッドチャンピオンシップが、現地時間11月6、7日の2日間に渡り、米カリフォルニア州サンタアニタパーク競馬場で開催されます。
第6回
BCクラシックで大注目のリップヴァンウィンクル!

合田さんがブリーダーズCクラシックの最有力候補に推しているのは、
ゼニヤッタを抑え、前売り1番人気にもなっている、
アイルランドの3歳牡馬リップヴァンウィンクルです。
今春の英2000ギニー、英ダービーでは、
いずれもシーザスターズの4着に敗れましたが、夏を迎えて本格化。
7月のG1サセックスS、9月のG1クイーエリザベスⅡ世Sを、ともに強い内容で連勝し、
ブリーダーズCクラシックに駒を進めてきました。

「欧州のナンバー1トレーナーでもある、
  エイダン・オブライエン調教師の管理馬ですが、
  昨年のBCクラシックで2着した、
  同厩舎のヘンリーザナヴィゲーターより、
  はるかに高い評価が与えられています。
  おそらく、オブライエン調教師は、
  現時点のリップヴァンウィンクルの充実振りなら、
  たとえシーザスターズがBCクラシックに出走してきたとしても、
  互角の勝負ができたはずだと考えているのではないでしょうか」

このリップヴァンウィンクルに関しては、
日本のファンにとっても、気になる情報が伝わってきています。

「ひょっとすると、ジャパンCに
  リップヴァンウィンクルが出走してくる可能性があるのです。
  まあ、これは馬主であるクールモアスタッドの
  懐事情も絡んでの噂話という段階なのですが、
  もしジャパンCに来日してくれば、
  本当の意味での現役最強馬が出走してくることになりますよね」

「リップヴァンウィンクルだけでなく、
  BCターフ出走予定のコンデュイット、
  ダーレミ、スパニュシュムーンといった欧州勢も、
  ジャパンC参戦の話が出ています。
  日本の競馬ファンは、ジャパンCのステップレースとして、
  このブリーダーズCを観ると、
  もうひとつ楽しみが大きくなると思いますよ」

さて、ブリーダーズCプレビュー編は、今回で終了。
レース評編は、11月11日(水)からお届けする予定ですので、
お楽しみにお待ちくださいませ!

(次回、第7回は11月11日の掲載予定です)

構成・文/関口隆哉




1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。