あらゆるカテゴリーで王者を決めるブリーダーズC。
今年は、全部で14のレースが行われます。
合田さんが指摘します。
「ブリーダーズCクラシック、
ブリーダーズCターフといったメーンイベントのほかにも、
現地時間6日に行われる距離14Fで争われるブリーダーズCマラソン、
7日開催の2歳芝王者決定戦的な意味合いを持った
ブリーダーズCジュヴェナイルターフといった、
個性的かつ魅力的なレースが多数用意されています。
日本馬が本気で勝つことを考えれば、
層の厚い中長距離型の馬たちが参戦できるマラソン、
レベルの高い牝馬陣が好勝負必至の
ブリーダーズCフィリー&メアーターフ(芝10F、現地時間6日開催)
といったレースが、絶好の狙い目となるのではないでしょうか」
さて、クラシック、ターフといった
日本でも注目度の高い競走の見所を合田さんに伺う前に、
2歳戦、スプリント&マイル戦のカテゴリーに属するレースの
注目馬をあげてもらいました。
「現地時間7日に行なわれるブリーダーズCジュヴェナイルは、
現地アメリカでも、とても注目度の高い一戦となっています。
ノーフォークSなどG1・2勝を含む4戦全勝の戦績を残している、
地元西海岸のルッキンアットラッキー、
東海岸を本拠地とし、4戦3勝、
勝つときはいつも圧勝というドゥファニーボーンの
東西大駒対決が初めて実現するからです。
ぼく自身も、この一戦は本当に楽しみにしているんですよ」
「やはり現地時間7日に行なわれるブリーダーズCマイルは、
連覇を狙う欧州馬ゴルディコヴァが大きな注目を集めていますが、
個人的に期待しているのが、
今年3月のドバイデュティーフリーで
ウオッカらを降して優勝したグラディアトーラスです。
ドバイデューティーフリー以降は不振を囲っていましたが、
前走でイタリアのG1競走を勝って、復調気配を見せている。
あと、ブリーダーズCクラシックに出走予定の欧州馬
マスタークラフツマンが、マイルに矛先を変えてきた場合は、
当然、争覇圏内に入ってくるはずです」
「昨年新設された
ブリーダーズCターフスプリント(芝6.5F、現地時間7日開催)も
欧州勢が強い。
ジュライCを勝ったフリーティングスピリット、
前走アベイドロンシャン賞を制した
トータルギャラリーらチャンピオンクラスが参戦を予定していて、
相当にレベルの高い一戦となりそうです」
(明日更新の第3回に続く)
構成・文/関口隆哉
1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。