第3回 「オークス後のディザイア」

来るべき秋の決戦に向けて、休んではいられない。
社台ファームで乗り込んだディザイアの夏とは?

―― オークスを終えてから、ディザイアの様子はどうでしたか?

松永

さすがにちょっと疲労感はありましたね、
あれだけ頑張ったんですから。
でも、ガタッとくる感じではなかったですよ。

―― 終わってすぐ放牧に出たんですね?

松永

そうですね。
山元トレセンを経由して
北海道の社台ファームに出しました。

―― 四位騎手は、放牧中のディザイアを見に行かれたとか?

四位ええ、札幌開催の合間に行って来ました。
6月の終わりか7月の頭ぐらいでしたかね。
ちょうど運動が終わって
ご飯を食べてゆっくりしようとしたときに
ぼくが行ったから、
機嫌が悪かったですけどね(笑)。
      

西川

馬にもそんなときがあるんだね(笑)。

―― 放牧に出しているときは、牧場に指示は出すんですか?
松永とくに細かい指示はしないですね。
最初だけ少し楽をさせて、
あとは緩めず乗っといてください、
ということぐらいですね。
―― 何度か見には行きました?
松永ええ、行きましたよ。
放牧先の社台ファームで、
いつも同じグループで調教をやっていたのが、
ディザイアとジェルミナルとワンカラット
だったんですね。
桜花賞の2、3、4着馬ですよ。
それで、牧場の坂路を上がってくるんですけど、
いつもディザイアが先頭なんです。
だから、
「その順番は、間違えないでください」
って牧場のスタッフの方にお願いしていましたよ(笑)。
      
西川そういうのは大事ですよ(笑)。
―― 放牧から戻ってきてからは、どんな様子でしたか?
松永やはり夏を越えて、
馬体もひと回り大きくなった感じはしましたしね。
栗東に戻ってきてからは、
まだ、オークス前の絶好調とまでは
いかなかったけど、
調子がグッと上がってきたのが感じられました。
四位調子が上がってこないと、
1週前の坂路で50秒ジャストなんて時計は
出ないでしょう。(笑)
松永それでもオークスに比べれば、
まだまだでしたけどね。
 

(明日につづく)