知恵の言葉

穴馬におぼれるべからず(前編)

万馬券や穴馬券を一度でもモノにすると、その味が忘れられず、
せっせと穴馬券を買うようになるものだ。
「少額投資で大儲け」
これがギャンブルの醍醐味であり、勝つ秘訣でもあるからだ。
といっても、本命買い、穴買いというのは、
人それぞれの性格によるところが大きいだろう。
穴馬券というのは、人気馬同士の組み合わせでは成立しない。
少なくとも1頭は、
人気薄の馬に連複馬券の片棒をかついでもらう必要がある。
そして、穴馬券を的中させるためには、
穴馬を発見することが近道なのだが、
ここに、
穴買いの落とし穴がある。
穴馬という人気薄の馬に対する認識不足から、
その落とし穴にはまりやすいのだ。

「株は人気が出てから買ったのでは儲からない。
人気が出る前に買っておくのが儲けるための鉄則」

とはよく言われる言葉だが、
競馬でも穴党ファンのなかには
人気が出る前の穴馬探しにやっきになる人がいる。
しかし、これこそ穴馬に対する認識不足というものだ。
株と競馬はまったく違う勝負事だ。
株は『投機』というくらいで、タイミング、すなわち「時」を買う。
一方、競馬は、限定された1つのレースのなかで
勝ち馬や2着馬を選び出す勝負事だ。
この違いは大きい。
たしかに株は、人気のないうちに仕込んでおき、
値上がりを待つのが鉄則だ。
たとえば、1株が1000円の底値で仕込んだ株が2000円となり、
3000円の天井で売り抜けば大儲けになる。
この株を2000円あたりで仕込んで3000円で売った人と比べれば、
儲けは倍である。
なかには、3000円で仕込む人もいるだろう。
そしてそこが結果的に天井なら、売るに売れなくなり、
泣く泣く3000円以下で売ることになる。
だから株は、人気が出る前に買うわけだ。
つまり安値のときに買っておくことができるのが株であり、
動き出す前にしこたま仕込んでも、
値動きがなければ投資した金額はそのまま、1銭も損はしない。
仮に多少値下がりしたとしても、
手仕舞わなければ(決算、決済にならなければ)負けたことにはならない。
ところが競馬の場合はそういうわけにはいかない
自分の狙ったまだ人気のでない穴馬が、買った時点で勝つとは限らないし、
勝たなければそのレースに投資した金額はパーだ。
もし、一発でその穴馬が勝てば大儲けできるのは間違いない。
が、そんなことが何回かに1回でもできる人は名人級だ。
まさに蔵が建つだろう。
一般的には、狙った穴馬が勝つときまでにそれ相応の損失があるはずだ。
あるいはその穴馬がついに勝ったというとき、
ちょうど馬券を買ってなかったなんていうことになったら、
泣いても泣ききれないだろう。
簡単にいえば、株は値動きするまで待っていられる継続性のある勝負事であり、
競馬は穴馬が勝つまで何回もの損失が重なっていく、
1回ごとの勝負事というわけだ。


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東邦出版発行『知って得する競馬の金言』より
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