知恵の言葉

馬体重の大幅な増減は何かある(前編)

騎手の乗り替わりと同様に、
馬券ファンを悩ますものに馬体重の変化がある。
とくに「馬体重の大幅な増減」は気になるところだ。
(大幅な増減とは、ここでは±10キロ以上をさす。つまり2ケタ増減だ)
トラックマンや評論家の多くは、
「単に馬体重が増えた減ったの数字だけで好・不調を判断してはいけない。
せっかくの推理を放棄してはダメ」
と言ったりするが、
これは、馬体重の発表前に専門紙の発売があるからだ。
馬体重発表後の予想が物理的にできないうえ、
予想を変えたがらないためでもある。
しかし、2ケタ増減の人気馬が消えて穴になったり、
2ケタ増減の人気薄の馬が突っ込んで馬券になったりするのだから、
馬体重は大いにクローズアップされてしかるべきなのである。

たとえば、前走480キロで出走した馬が、プラス10キロ以上、
あるいはマイナス10キロ以上で出走した場合どうなるか。
人間の体重60キロに置きかえて説明しよう。
480キロを60キロに置きかえるということは8分の1になるわけだから、
増減幅もプラス・マイナス10キロから、プラス・マイナス1.2キロになる。
専門家もよく人間に置きかえて説明するが、
彼らがいうのは、サラリーマンでも少し不摂生をすれば
そのくらいの体重の増減はあるのだから気にすることはないという、
馬体重増減の不要説だ。
しかし、競走馬は農耕馬とは違う。
油ぎったサラリーマンとの比較ではお話にならない。
ビッシリと絞りあげられた競走馬と比較できるのは、
スポーツ選手くらいだろう。
とくに体重ひとつで勝ち負けが左右される
ボクシングの選手はうってつけだ。
ボクシングの選手にとって、
この1.2キロの体重の増減は非常に意味深長だ。
普段の体重が60キロで、それがいちばん動きやすい体だとすれば、
1.2キロのプラスは動きが重くなり、
パンチもスピード不足になってしまう。
逆にマイナス1.2キロは体が軽すぎて、スタミナ不足になってしまう。
競馬に話を戻すと・・・


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東邦出版発行『知って得する競馬の金言』より
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