それいけオークス

第1回 よく頑張った桜花賞

京都のとある大きな神社の参道から一本入ったところにひっそりと佇む隠れ家的な創作フレンチレストラン。4月某日、そこでオークスに向けて、健闘を誓う二人のホースマンにお話を伺いました。
松永幹夫調教師と四位洋文騎手。騎手として、いまさら説明の必要もないほどの一流の実績を残す先輩と後輩でもあります。強い信頼感で結ばれた二人からは愛馬への深い愛情、そして大きな期待が感じられました。
一強とまで言われる今年のオークス、果たして秘策はあるのか?
毎日更新していく予定ですので、じっくりとお楽しみください。

―― 本日は、お忙しいところお越しいただき、ありがとうございます。

松永

いえいえ、よろしくお願いします。

四位

よろしくお願いします。


 

―― まずは桜花賞を振り返っていただきましょう。

松永

2着でしたけど、
「よく頑張った!」
という競馬じゃないですか?

四位

ぼくもそう思います。
確かに、半馬身差の2着でしたから、
結果だけ見れば
惜しいといえば惜しいレースです。
でも、実際に乗っていた感触から言えば、
惜しいも何もないですよ。
普通、惜しいと思えるレースって、
後ろから来た馬に対して、一瞬でも並ぶんですよ。
そして、少なからず抵抗するんです。
競走馬の本能みたいなもので
相手に合わせて伸びようとするんですね。
でも、あの桜花賞では、
それがまったくなかったというか、
そのタイミングもないぐらいに
スパッとブエナビスタに交わされたんですよ。
なので、負けても納得というか。

松永

ほんとにそんな感じだったね。


 
四位もちろん2着ですから、まったく悔しくない
って言ったらウソになりますけど、でも、
その悔しさを通り越した感じの競馬だったと思います。

松永

あの馬自身、まだ3戦目ですよ。
やっぱり「よく頑張った」っていう表現が
正しいんじゃないですかね。

四位

3戦目で、ブエナビスタにあの着差でしたから。
次は見とけよ、と(笑)。

―― 作戦は何か立てていたんですか?

松永

特になかったですね。
四位とも別に作戦については話してないですよ。
ゲート出てみないとわからないじゃないですか。

四位幹夫さんからは、いつも通りパドックで
「気をつけてな」
だけですよ(笑)。
だいたいそんな感じなんですよ。
松永四位ほどの大ジョッキーですからね。
指示は必要ないですよ。
いろいろ考えても、
その通りにいかないのが競馬ですからね。
ゲート開いて、躓いたりとか出て行かなかったりとか
ほんとにいろんなことがあるわけで。
 

(明日につづく) 11時に更新します