それいけオークス

第11回 尊敬する先輩ジョッキー

若手を軽々と料理する、あのベテランジョッキー。
四位騎手も尊敬する名手は、松永調教師の同期だった。

―― とある雑誌の対談で、松永調教師は四位騎手のことを
            「いやなジョッキー」というふうに表現しています。

松永

それは、うまいジョッキーだからいや、
という意味ですからね(笑)。
一緒に競馬に乗るのがいやな人っているんですよ。
なんかやられそうな気がするんです。

 

 

四位ジョッキーは、あまり口には出しませんけど、
みんな心の中に苦手な存在がいるんですよ。
この人と一緒に乗るといやだな、とか。
たとえば、ノリさん(横山典弘騎手)なんか、
北海道で一緒に乗ってると
気持ち悪くてしょうがないですよ、
何されるかわかりませんからね(笑)。
うまいことやられるんですよねぇ。
あの人だけは、別格です。
特に自分が
人気している馬に乗っている時ほどいやです。
軽く料理されますから(笑)。
若手はみんな、北海道に来ると
まずノリさんの洗礼を受けます(笑)。
松永ノリは天才肌ですからね。
でも、四位と似てるところはありますよ。
乗り方というか、競馬の流れの作り方なんかはね。
四位そうなんですかね。
でも、やっぱりノリさんは
目標とする人ですね。
だって、幹夫さんと同期で、
実際、幹夫さんはもうトレーナーとして
セカンドキャリアをスタートさせているわけですよ。
それなのに、かたや、まだまだ現役で
どんどんいっているわけですから。
そりゃ、追っかけていきたいですよ。

―― いまや四位騎手も、若手を料理する側です。

 

 

四位いやいや、まだまだですよ(笑)。
松永いや、それはもう、
間違いなくそういう存在だと思いますよ。
―― 北海道開催なんかは、特に騎手同士の争いも激しそうですね。
四位乗ってるときは、みんな声出したりしてますね。
まあ、クラクションみたいなものですけど(笑)。
松永馬に乗ってレースが始まれば
先輩も後輩も関係ないですからね。
四位やっぱり、競馬場は
ぼくらにとって戦場ですから、
みんなピリピリしてるし、
自然と声が出たりするんですよね。
松永でも、声を出したからって、
昔はともかく、今はどうこうなるものでもないよね?

 

 

四位そうですね。今の若いやつらは、声を出したら、
確認して、逆に締めてきますからね(笑)。
特に、アイツとかアイツとか、
まあ名前は伏せておきますけど。
みんな、昔はかわいかったのに(笑)。
まあ、それだけ
若手も成長しているということですよ、
みんな努力もしていますし。
 

(明日につづく) 14時に更新します