2010年10月06日
こんにちは。
今週の東京メイン・毎日王冠のレースとしての性格が、
時代とともに変化してきたというお話をしています。
クラシック登録がなく菊花賞に出られなかったオグリキャップ、
天皇賞に出走権のないシンコウラブリイ、エルコンドルパサー、
グラスワンダーなど、外国産馬が大暴れしました。
“ここしか使うレースがない”不運な馬たちの鬱憤晴らしの場です。
ところが最近はたくさんある選択肢の中から
“あえてここを使う” 馬の姿が目立つようになりました。
菊花賞ではなく天皇賞やマイル路線に狙いを定めた存在です。
パイオニアは86年の3歳馬ニッポーテイオーでしょうか。
短距離血統リィフォー産駒の彼は菊花賞はハナから念頭になく、
毎日王冠はサクラユタカオーの2着でしたがマイルに舵を切り、
スワンS1着、マイルチャンピオンシップ2着と成果を出します。
翌年に天皇賞、マイルCSを連破したのはご存じのとおりです。
歴史に残る3歳馬による天皇賞制覇を成し遂げたのは
96年に毎日王冠3着から本番に駒を進めたバブルガムフェロー。
春のクラシックは最有力と評価されながら骨折で棒にふり、
最後の一冠・菊花賞には目もくれず厚い古馬の壁に挑みます。
3歳馬が天皇賞に挑戦し、そして勝つ、
それまでの日本競馬では想像できないような “事件” でした。
常識を塗り替えたのは藤沢和雄調教師です。
その後も藤沢調教師は3歳馬の毎日王冠挑戦に果敢で
99年のスティンガー (4着)、04年のシェルゲーム (6着)、
そして今年はペルーサでチャレンジすることになります。
2000m時代の神戸新聞杯から天皇賞へという
シンボリクリスエスのようなローテーションもありました。
これまでバブルガムフェローとシンボリクリスエス、
2頭の藤沢厩舎の3歳馬が天皇賞を勝っています。
ペルーサに3頭目の金字塔を期待したいと思います。
きょうも来てくださってありがとうございます。
馬名にまつわるちょっといい話を掘り起こす 『馬名ミュージアム』 は、
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