合田直弘氏インタビュー 海の向こうの競馬3 そしてホースマン

現地時間、10月3日、4日に開催される“ロンシャンウィークエンド”。地元フランスはもとより、ヨーロッパの秋競馬を締めくくるこの一大競馬イベントでは、凱旋門賞、オペラ賞、ジャンリュックラガルデール賞、フォレ賞など、7つものGIレースと4つのGIIレースが行われるのです。
第5回
馬場状態と展開に託す、シーザスターズ逆転の望み

合田さんが9割方勝利すると確信している、
凱旋門賞の大本命馬シーザスターズ。
わずかに存在している「逆転の目」を託すとしたら、
いったいどの馬なのでしょうか?

「まず、馬場状態に条件を付けたいと思います。
  シーザスターズが出走回避してしまうような
  極悪馬場までには至らないけど、パンパンの良馬場でもない。
  つまり、勝ち時計が2分30秒台前半になるような、
  パワーが問われるコンディションになった場合は、
  好メンバーが揃った前走G1バーデン大賞で
  3馬身差を付ける強い勝ち方をしたドイツ馬
  ゲッタウェイ(父モンズーン)が面白い存在になってくると思います」

「バーデン大賞から凱旋門賞というローテーションは、
  2002年の勝ち馬マリエンバードと一緒です。
  ゲッタウェイはすでに6歳馬ですが、経験も豊富ですし、
  いかにも伏兵っぽい雰囲気が漂っていますね」

「展開的に恵まれるケースが考えられるのは、
  イギリスの5歳馬スパニッシュムーン(父エルプラド)です。
  前走のG2フォア賞同様、
  パンパンの良馬場でスタコラスタコラ逃げられれば、
  ひょっとするかもしれない。
  後方に付けたシーザスターズが
  他の有力馬に気をとられて動くに動けず、
  結局、追い込んで届かないというパターンですね。
  ウ~ン、でも冷静に考えれば、さすがにそれはないかなぁ(笑)」

地元フランス勢はどうでしょう?

「凱旋門賞のもっとも有力なトライアル競走である
  G2ニエユ賞を勝った3歳馬キャヴァルリマン(父ホーリング)、
  いかにもトライアルらしい走りで2着した昨年の仏ダービー馬
  ヴィジオンデタ(父チチカステナンゴ)の2頭が注目だとは思いますが、
  キャヴァルリマンを管理する
  “ミスター凱旋門賞”ことA・ファーブル調教師は、
  すでにシーザスターズに対して白旗を掲げている状態ですから(笑)。
  安定感のあるヴィジオンデタは、
  2着争いということでは、一番手の存在かもしれませんね」

さて、明日はロンシャンウィークエンド・プレビュー編の
最終回をお届けします。
乞うご期待!


(明日更新の第6回に続く)

構成・文/関口隆哉

1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。