2010年09月26日
こんにちは。
きょうの中山メインは名物レース・オールカマーです。
名物というのは、オールカマー (誰でも来い) というレース名からも、
いろんな意味で一風変わった顔ぶれがそろうからです。
オールカマー55年の歴史の中でもっともオールカマーらしいのは、
1957年の第3回オールカマーをあげる人がけっこういます。
アラブの怪物と騒がれていたセイユウが出走してきたからです。
どれくらい “怪物” だったかというと、
同じアラブ相手に15連勝後、
68キロの酷量に泣き2着に敗れますがその後も4連勝します。
背負った斤量は最高で70キロと今では考えられないものでした。
これ以上は無理とサラブレッド相手に戦うことになります。
そして初戦の七夕賞、福島記念を連覇したのだから驚きです。
セントライト記念に向かったセイユウは、
その年の菊花賞馬となるラプソデー以下を寄せつけず快勝、
しかし彼には菊花賞の出走権は与えられていません。
そこで向かったのがオールカマーとなるわけですが、
セントライト以上の強敵がスラリと顔をそろえました。
皐月賞馬ヘキラク、ダービー馬ハクチカラ、菊花賞馬キタノオーと
前年の三冠を分けあったサラブレッド中のサラブレッドが相手。
キタノオーは古馬になってさらに力をつけ天皇賞を勝っています。
ハクチカラはご存じのように後にアメリカに遠征し、
ワシントンバースデイHで初の海外重賞制覇を成し遂げます。
同世代に敵なしのセイユウでもかなり骨っぽい相手たちです。
充実著しいキタノオーが1番人気、
58キロのトップハンデを嫌われたハクチカラは3番人気で、
間にヘキラクが割って入り、セイユウはこの3強に続く人気です。
しかし結局、セイユウは奮闘むなしく4着に敗れます。
当時の日本にあって最高のサラブレッド相手の結果ですから、
十分に胸を張れるものだったと思います。
きょうも来てくださってありがとうございます。
セイユウのような異色の存在はなくなった最近ですが、
その分はレースの中味で補ってくれるといいなと思います。