2009年12月30日
こんにちは。
2010年へのカウントダウンがはじまっています。
さて、きのうは『酔いどれ対談』での
清水成駿さんの印象深い言葉をご紹介しました。
きょうは海外遠征に関する志のありようみたいなことで
山本英俊オーナーの言葉を振り返ってみました。
駿
(カジノドライヴがレース直前のざ石で回避して)
ベルモントSは残念な結果に終わってしまった。
俊
ええ、それでその夜、帯同スタッフの慰労をかねて食事をしたんです。
その席でジョーク好きな藤澤先生らしく
『あーぁ、だから海外遠征なんかやってられないんだ。
費用はかかる、賞金は安い、それに相手はバカ強い』
駿
それはスタッフへの気配りでしょう。
重く沈みがちな空気を藤澤一流の辛口ジョークで和らげようと・・・。
俊
はい、先生はいつも気配りを絶やさない人ですからね。
でも、ひとつだけ間違っていることがあると思いました。
それだけは言っておかねばならないと。
駿
相手がバカ強いということですね。
俊
そうです。たしかに向こうの馬は強い。相当に強い。
でも私たちはそれに勝てる、勝つんだ、
そういう気持ちで馬を連れて行くわけです。
カジノドライヴも、だから連れて行った。
そうでなければ、向こうのホースマンや
伝統あるレース自体に失礼ですからね。
戦後初めてハクチカラが海を渡ったのは1958年、
もう半世紀の歳月を積み重ねました。
ハクチカラは58年7月から翌年7月までアメリカ各地を転戦し、
17戦1勝の戦績を残しています。
滞在をつづけて環境に慣れさせるという選択肢もありでしょうが、
当時はプロペラ機しかなかった時代。
現在はコンデュイットのようにイギリスを拠点としながら、
フランスの凱旋門賞、アメリカのブリーダーズC、
日本のジャパンCをわずか2ヶ月のうちに走る時代です。
山本オーナーは別のインタビューで
「カジノドライヴには大変な思いをさせた」
と述懐していらっしゃいますが、
検疫などのハードルがヨーロッパ並みに低くなって、
日本馬が気軽に出かれられるようになればいいなあ、
そう、つくづく思わされた2009年でした。
きょうも来てくださってありがとうございます。
J-horsemanはあす大晦日も更新していきます。
どうぞよろしくお願いします。