2010年10月07日
こんにちは。
凱旋門賞が終わったヨーロッパ、イギリスのニューマーケットでは
いま 「タタソール・オクトーバー (10月) セール」 が行われています。
海外競馬通の合田直弘さんによれば、ヨーロッパでは、
「凱旋門賞を見てタタソールに出かけるのがホースマンの常識」
なんだそうです。
そもそもリチャード・タタソールという人がセリ市をはじめたのは、
1766年といいますから英ダービー創設 (1780年) 以前、
長い歴史と伝統を誇るセールです。
主体はもちろん1歳馬のイアリング・セールです。
ひと夏を越したサラブレッドがどんな成長を見せるのか、
そこをコンセプトにしています。
血統は一生変わりませんが、馬体は千変万化します。
小さな欠点が大きくなる、あるいは欠点ばかりが成長する、
これは遺伝学上の常識ですから、馬選びは遅いほどいい、
世界中のホースマンがそう考えています。
タタソールの10月開催というのは馬主さんのリスクを考えれば、
理にかなった方法といえるのではないでしょうか。
アメリカはキーンランドのセプテンバー (9月) セールが有名です。
世界一の馬産国であるアメリカ中から選び抜いた1歳馬に
一堂に介することができます。
キーンランドには7月 (ジュライ) にも1歳馬セールがありました。
ところが夏を越す前に馬を買うリスクをなくするために
2002年以降は中止されたままです。
日本では7月にセレクトセールが開催されますが、
しかも当歳セールが中心で、1歳セールは創設翌年から
05年までの6年間、その存在すらありませんでした。
世界の潮流を見るかぎり、ちょっと違うなという気がします。
きょうも来てくださってありがとうございます。
ファンがいなくては競馬が成立しないように、
馬主さんがいなくては面白い競馬が開催できなくなります。
この “馬選び” の問題、もっと考えてみたいと思います。