2009年12月18日
こんにちは。
2歳牡馬唯一のG1レースである朝日杯フューチュリティSから
クラシックを狙う有力馬や強豪外国産馬が姿を消したのはなぜか、
というお話をしています。
ひとつには1971年から30年間もつづいた“鎖国”が解かれ、
外国産馬の出走制限が緩和された結果、選択の幅が広がり、
朝日杯にこだわる理由が消失したこと、
またひとつにはサンデーサイレンスなどの大活躍で
内国産馬に注目が集まったこと、そんなお話をしました。
きょうは3つ目の理由です。
それは調教施設の充実や調教技術の向上が
想像以上に大きな役割を果たしていると思います。
1993年に朝日杯を勝って3冠を制したナリタブライアン以後、
15年間も朝日杯勝ち馬からクラシックホースが出ていません。
ではその15年間、どんな馬がダービーを勝ったのでしょうか。
96年のダービー馬フサイチコンコルドや00年のアグネスフライトは
2歳時にはレースにすら出ていませんでした。
98年スペシャルウィーク、05年ディープインパクトは
新馬戦を一度使っただけで3歳を迎えています。
昨年のロジユニヴァースを含めて3戦以下のレース経験しかない馬が、
ダービー馬15頭中11頭を占めています。
早い時期から無理に使わなくても、
クラシックに照準を合わせて
じっくり仕上げられる環境が整ったということなのでしょう。
調教技術もそうですが、レース体系なども含めて
日本の競馬は着実に進化しているのだと思います。
でも、そんな中で気になるのは朝日杯のあり方でしょうか。
どんなG1も年によってレベルに凹凸が現れるのは仕方ありませんが、
15年間もつづくとそうもいっていられません。
ほぼ同時期に施行されるG3のラジオNIKKEI杯2歳Sや
単なるオープン格付けの中京2歳Sにパフォーマンスで負けているようでは、
存在意義が問われることになるでしょう。
いっそ“クラシックへの登龍門”というキャッチコピーを外して
単なる2歳チャンピオン決定戦と割り切るのも一案でしょうが、
馬への負担が大きいと指摘されるコース形態も含めて
真剣に議論すべき時期なのかもしれません。
きょうも来てくださってありがとうございます。
『馬券術どおりに買ったらこうなった』
『競馬新聞の◎をチェック!』は夕刻ごろの更新になります。
良い週末をお過ごしください。