海の向こうの競馬、そしてホースマン

第25回
欧州一流調教師たちが使う施設も一見の価値アリ!
 

ヨーロッパの調教施設そのものの凄さも、
一見の価値があると合田さんは言います。

「現代ヨーロッパ最高の調教師と言われる
 エイダン・オブライエン調教師の本拠地である
 アイルランドのバリードイルなどは、
 まさに、壮大な施設ですから、
 見ておいて損はないと思います」

「バリードイル以外でも、
 エイダン・オブライエンの師匠である
 ジム・ボルジャー調教師の
 本拠地となっている調教施設では、
 世界一キツい坂路コースで馬たちを鍛えていますし、
 かつてピーター・チャップルハイム厩舎が使っていて、
 現在はブライアン・ミーハン調教師が使っている
 マントンの調教センターも、
 山3つくらいを調教場として使っている、
 とてつもないスケールの大きさを備えているんですね」



「そして、
 こういった調教施設を見る機会を持ったなら、
 設備だけでなく、
 向こうのホースマンが馬たちと、
 どう接しているのかも、
 是非チェックして欲しいですね」

たとえば、
日本のトレセンに取材に行った場合、
われわれ取材者が、
馬たちの背後に立つようなことがあれば、
担当厩務員さんに、
とても厳しく叱られてしまいます。
馬が興奮して、
後ろ脚で人を蹴飛ばすようなことが起こると、
大きな事故に繋がってしまうからです。

ところが、
ヨーロッパの厩舎や調教場では、
事情がかなり違ってくると合田さんは指摘します。

どんな風に違うのか?
それについては、
また明日ということで。

(第26回に続く)

構成・文/関口隆哉

 

合田直弘氏 プロフィール

1959年東京生まれ。慶応普通部(中学)時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶応大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。