海の向こうの競馬、そしてホースマン

第9回
さまざまなことを学んだ「馬術部」での日々(1)
 

名門慶応普通部(中学)を受験して
合格した合田少年は、馬術部に入部します。
当時東京で、馬術部がある中学は
慶応と青学のみだったそうです。

「やはり、野球部やサッカー部は
 運動神経の良い連中が大挙して入部してきますから、
 相当に競争が厳しい。
 で、すぐにレギュラーになれそうな部を捜すと
 馬術部がクローズアップされてきたわけです」



「まあ、いまになって振り返ってみると、
 中学1年生のときから、
 ぼくの“スキ間人生”は
 始まっていたのですね(笑)」

スキ間狙いということのほかにも、
合田さんが馬術部を選んだ理由がありました。

「うちの親父が毎週馬券を買うような
 競馬ファンだったのですね。
 それで週末はいつも競馬中継が
 我が家のお茶の間には流れていた。
 ですから、馬術部に入部する前から、
 馬そのものには、強い興味があったのです」

「結局、幼少のころから“競馬好きDNA”
 というのが徐々に培われていて、
 この中1のときに馬術部へ入ったことも、
 その後の人生で、ぼくがした選択にも、
 そのDNAが深く関わっていることは確かでしょうね」

中学生時代から始まった馬術部での活動は、
やがて合田さんのその後の人生にも、
大きな影響を及ぼすことになるのですが、
詳細は、明日、明後日とお届けいたします。
お楽しみに!

(第10回に続く)

構成・文/関口隆哉

 

合田直弘氏 プロフィール

1959年東京生まれ。慶応普通部(中学)時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶応大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。